日銀新総裁は「初の女性」という可能性も 岸田首相が“介入”の姿勢に打って出た理由

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落ち着きを取り戻せないマーケット

 日銀による金融政策のサプライズ修正によって、マーケットは混乱に陥って落ち着きを欠いたままだ。黒田東彦総裁は会見で利上げを否定したが、これを真に受ける市場関係者はほとんどいない。そして、来年4月に任期満了を迎える総裁人事への注目度もにわかに増している。その状況に岸田文雄首相が強い関心を示しだしたのだという。

「日銀は今回、変動幅を従来のプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.5%へと拡大しました。黒田総裁は、今回の措置について利上げではないと否定し、金融政策を正常化していく出口戦略ではないことを強調しています」

 と、担当記者。世の中では原材料が上がった、商品は値上げだなどとインフレ報道が相次ぐが、安定的な2%の物価上昇目標の達成は見通せていないのが現状。賃金上昇も道半ばで、金融緩和の継続が必要というわけだ。

「変動幅の上限引き上げはあるとしたら来年3月ごろではないかというのがコンセンサスとだったため、マーケットにはまさにサプライズでした。日経平均の下げ幅は一時800円を超え、依然として落ち着きを失ったままです」(同)

前倒し退任は既定路線

 一般的にマーケットはサプライズ、つまり不安定さや予測不可能なことを嫌う傾向があり、「黒田総裁の言っていることを額面通りに受け取って良いのか」という反応が目立っているというわけだ。

「黒田総裁の説明は分かりにくかったですね。マーケットとの対話が成立していないように思いました」(同)

 異次元と評された量的・質的金融緩和は黒田バズーカとも呼ばれ、かつてマーケットはこれを良い意味でのサプライズとして受け入れたが、今回は正反対だった。

「黒田総裁の任期は来年4月8日まで。ある種の店仕舞いを始めたとの評価もありますね。もちろん今回の決定は本人の意思だけで決められたものではありませんが」(同)

 他方、両副総裁の任期は3月19日となっている。かつてのねじれ国会の影響がこれに繋がっている。

「黒田総裁が前倒しで退任し、新たな3人が同時期に就任する流れになりそうです。前任の白川方彦総裁も前倒しで退任していますから、そこにハードルは存在しません」(同)

 となると、最注目は誰が総裁になるかだ。

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