新築の太陽光パネル義務化で税金が中国に流れる? 「80%が中国産で、その6割が新彊ウイグル自治区で製造」
国政進出でつまずいて以降、注目を浴びたのは「密です」と発したことくらいか。最近すっかり影が薄くなった“女帝”だが、相変わらず本業では首をかしげたくなる政策が多い。その最たるは、新築戸建て等への「太陽光パネル設置」の義務化。まさに“師走の暴走”ともいうべき暴挙である。
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今月15日、東京都議会で全国初の条例案が可決した。昨年9月、小池百合子都知事がぶち上げた都内の新築物件への太陽光発電導入義務化が、本格的に始まる運びとなったのだ。
都政担当記者が言う。
「都内で戸建てを新築する場合、延べ床面積2千平方メートル未満の建物に、事実上、太陽光発電に必要なパネルの設置義務が課されます。あくまで都は、設置を求める主体は大手ハウスメーカー約50社とし、各社に一定のノルマを与えるだけで消費者に選択の自由はあるとしていますが、都内の実に6割近くの新築物件が対象になる見込みです」
小池知事は導入家庭の“電気代が下がる”などと喧伝するが、このご時世に戸建てを買えるのは高所得世帯に限られよう。しかも太陽光パネル設置で給付される補助金の一部は、全家庭が負担する「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で賄われるため、不公平感は拭えない。
格差拡大を助長すると批判する声もあるうえ、さらには我々の血税が“かの国”に流れる可能性が高いというのだ。
「人命に危険が…」
「世界の太陽光パネルの80%が中国産で、もうすぐ95%になるといわれていますが、その約6割が新疆ウイグル自治区で製造されているのです」
そう指摘するのは、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏だ。
「少数民族へのジェノサイドや強制収容所が問題となっているウイグル産のパネルについては、今年6月に米国が輸入禁止の措置をとり、EUも同様の禁止法案を審議中。なのに都は事業者に“人権を尊重してほしい”と要請するだけで、事実上黙認する構えです」
ウイグル人の命を軽視した強制労働による産物が、都の施策によって大量購入されようとしているわけだが、太陽光パネルは「都民の生命」をも脅かす存在として、杉山氏はこう続ける。
「都の水害予測では、巨大台風や大雨で江東区や江戸川区などは最大10メートル以上の浸水が1~2週間続くとされています。国の機関が試験した結果、太陽光パネルは水没しても、光を浴びれば300V以上の電気を発電し続ける。ところが漏電を検知して送電を止めることができないので、感電による二次災害や救助・復旧の遅れで人命に危険が及ぶ。都に質したところ“まだ感電事故は起きていない”“水没したら専門家を呼んで下さい”などと言っていましたが、十分想定内のことで、人権軽視も甚だしい」
都民を蔑(ないがし)ろにする姿勢は、未来を担う子供たちへの教育にも暗い影を落としている。