ビーチだけじゃない南国リゾート「プーケット島」の見所、異国情緒あふれるマーケットや旧市街の魅力

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ノスタルジック

 続いて、島の北東部にあるオールドタウンを散策してみる。現在はすっかり観光客向けのショッピングエリアとして定着したエリアだが、パステルカラーのパレットを広げたようなシノポルトガルスタイルの建物が通りの両側に連なる様子はカラフルで特徴的だ。プラナカンと呼ばれる中華系移民がマレーシアのペナン島やシンガポールにもいるが、ここプーケットタウンのプラナカンは、錫鉱山開拓のためペナン島から1世紀ほど前に移り住んだ人々。彼らの家や社屋跡は、中国的な要素と西欧的な要素が折衷された、シノポルトガル様式の真骨頂ともいうべき独特のデザインで一見の価値ありだ。「チンプラチャーハウス」(1903年建立)は、住居として現役の屋敷だが、事前にアポイントを取れば建物内を見学することができる。ヨーロッパと東洋の折衷文化や建築に興味のある方には是非とも訪れていただきたい。内装は手すりや、タイルなど、細部にわたって緻密にデザインされ、イタリアから取り寄せた大理石が豊富に使われていたり、中国のラッキーナンバーが階段の裏に隠されていたりとひとつひとつ洒落ている。揺らめきが美しいガラス窓や二重扉も、この建物ができてから変わっていないという。家のあちこちに額に入れて飾られている家族の歴史を垣間見る たくさんの写真はこの町の産業の歴史さえ物語るようでノスタルジックだ。何とこちらでは貸衣装も用意されていて、錫鉱山主とニョニャ(プラナカンの女性の意味)の礼服を纏って結婚式の撮影もできるという。確かに撮影のロケーションとしてはぴったりで、有名な映画やドラマも数々ここで撮影されているそうだ。

自然と静寂を楽しみたい方に

 島の北東部にある「バーン・バン・ロン・コミュニティ」が運営する農園を訪ねた。ここではプーケットの有機農業の現在を見学、体験できる多様なプログラムが用意されていて、手作りの食事や収穫したばかりの果物をいただくこともできる。甘さが強く繊維質が豊富な名産品「プーケットパイナップル」は、面白いことにゴムの木の狭間に栽培されている。このコンビネーションは相互に生育を助け害虫を防ぐコンパニオンプランツ(共存作物)なのだそうだ。どのパイナップルが収穫どきか教わり、刈り取る作業を少しだけお手伝いした。こうした形で観光で島を訪れる人が地元の産業や食文化に触れ、地元の人々と触れ合うことができる機会は発見が多い。旅の体験として他にない思い出になりそうだ。

 今回の取材では「プーケット・マリオット・リゾート & スパ・ナイヤン・ビーチ」に御協力頂いた。先の空港からほど近い立地なので、到着後すぐにリゾート気分に気持ちを切り替えられ、喧騒から離れて自然と静寂を楽しみたい方にうってつけの滞在先だ。目の前には遠浅で白砂のプライベートビーチが広がり、波打ち際での朝夕の散歩も気持ち良い。全館ブラウンと白の落ち着いたインテリアで統一されていて、館内各所に鳥のオブジェやモチーフが散りばめられているのがとても愛らしい。大きな施設や繁華街から少し離れて位置するので、静かにホテル時間を満喫できる。部屋の種類はプール付きのヴィラタイプ、ダブルルーム、ツインルームと様々あるが、プールアクセスと呼ばれる部屋を選ぶと、扉の目の前にあるプールに泳ぎ出ることができる。ホテルの建物を両脇から抱きかかえるようにして細長く設えられた流れが合流して中心で大きなプールになるという仕掛け。フィットネス施設も充実、ヨガなどのクラスも開催されている。子供連れの方に嬉しいプレイルームも有り。レストランは2店舗。 プーケット自慢のシーフードを供する「Big Fish」で。朝食、タイ料理全般は「The Andaman Kitchen」で召し上がれ。

デイリー新潮編集部

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