西武、FA流出がダントツ1位で「山川穂高」も移籍濃厚? それでも低迷を回避する「編成の底力」

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大型補強に頼らない「編成の底力」

 これに加えて、ドラフト2位で指名した古川雄大(佐伯鶴城)は、長打力と高い運動能力が魅力の大型外野手で、西武のチームカラーにもよくマッチした選手だ。来シーズン終了後に山川がFAで流出すれば、当然、大きな戦力ダウンとなることは間違いないが、2020年以降は大型野手を積極的にドラフトで指名しているところを見ても、将来に対する備えが感じられる。大型補強がなくても、強さを維持できるのは「編成の底力」と言えそうだ。

 森の移籍、山川のFA権取得に対して、ファンには悲観する声が少なくないが、平良の後釜となるセットアッパーを含めて、空いたポジションに対するチーム内での競争も非常に楽しみである。菊池雄星と浅村が抜けた2019年はリーグ連覇、さらに秋山が抜けた翌年は3位と踏ん張りを見せた。2023年も持ち前の“反発力”で優勝争いに加わることも十分に期待できるだろう。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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