西武、FA流出がダントツ1位で「山川穂高」も移籍濃厚? それでも低迷を回避する「編成の底力」

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「森友哉」流出は想定内

 来季は森が抜けて、他球団が積極的な補強を見せていることから、苦しい戦いとなることが予想されるが、それでも上位争いに加われるのではという声も少なくない。在京スポーツ紙の記者は、以下のように解説する。

「シーズン中から森の流出は噂されており、球団としても想定内だったと言えます。目立った成績を残すことはできませんでしたが、ルーキーの古賀悠斗(中央大)を早くから一軍で起用し、経験を積ませたのは、そのためでしょう。古賀は2021年の大学ナンバーワン捕手と言われていた選手で、その選手を3位で指名できたことも幸運でした。あと大きいのは、やはり、主力の源田壮亮と外崎修汰が揃って残留したことですね。もし、この2人がいるといないとでは全く違います。他球団を見ても、二遊間を固定できているチームは少なく、西武の大きな強みだけに揃って大型契約を結んだことも頷けます。投手は、中継ぎの平良海馬が先発転向した後のリリーフ陣は気になりますが、全体的にコマは揃っていますし、若くて伸び盛りの選手も多い。それを考えれば、大きく低迷する可能性は低いように感じます」

 ここ数年、投手力が課題と言われ続けてきた西武だが、今年はリーグトップの防御率2.75を記録して、大きな改善が見られている。また、ベテランと言える選手は抑えの増田達至のみで、ほとんどの主力投手が20代というのも大きな強みだ。2014年からの6年間で投手を積極的にドラフトで指名した成果が着実に出ている。

今季のチーム打率はリーグ最下位だが

 そうなると、気になるのは打線である。今年のチーム打率は.229で、リーグ最下位に沈み、かつての“山賊打線”の面影はない。これに加えて、2023年シーズン中には、主砲の山川穂高が国内FA権を取得する見込みで、またしても、ソフトバンクへの流出が噂されている。

 しかし、そんな打線についても聞かれるのは悲観的な声ばかりではない。

「西武は多少粗くても、とにかく強く振れるようにということを第一に考えて野手を育てているように見えます。森はもともと打撃で天才的なものがありましたが、山川や外崎はプロで大きく伸びた選手ですし、外野手の愛斗や川越誠司も驚くほど振りが力強くなりました。プロ入り時点ではそこまで力がなくても、思い切りの良い選手を指名して育てるというやり方は一貫している。二軍でも、内野手の渡部健人やブランドン、長谷川信哉らが控えていますし、ドラフト1位で指名した蛭間拓哉(早稲田大)も強打者として評判です。主力が抜けることが多いのも、若手にとってはチャンスなわけですから、そういうサイクルが上手く回っているんじゃないですかね」(他のパ・リーグ球団スカウト)

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