西武、FA流出がダントツ1位で「山川穂高」も移籍濃厚? それでも低迷を回避する「編成の底力」
FAでの退団は12球団最多の20人
トレード、フリーエージェント(以下FA)、そして現役ドラフトと例年以上に動きが激しい今年のストーブリーグ。パ・リーグでは、オリックス、ソフトバンクと優勝を争った2チームが特に積極的な補強に動いている一方で、毎年のように主力が流出しているのが西武だ。【西尾典文/野球ライター】
【写真】“山賊打線”復活の原動力になるか、ドラフト上位の新戦力は要チェック
これまでにFAで退団した選手は12球団で最多の20人。古くは工藤公康、清原和博、近年も浅村栄斗、秋山翔吾が球団を去り、今年も正捕手の森友哉がライバルと言えるオリックスに移籍となっている。巻き返しを図るべく日本ハムをFAになった近藤健介の争奪戦に参戦し、一時は“有利”との報道も出たが、最終的にはソフトバンクの圧倒的な資金力に屈する形となった。
ちなみに、西武がこれまでにFAで獲得した人数は3人とパ・リーグでは日本ハムと並んで最も少なく、過去10年ではテストを経て入団した木村昇吾だけである。FAによる“戦力の収支”という意味では、最もマイナスが大きい球団であることは間違いないだろう。
だが、西武の成績を改めて振り返ってみると、過去10年でリーグ優勝2回、Aクラス6回と常に上位をキープしている。同じくFAでの流出が多く、獲得が少ない日本ハムはリーグ優勝1回、Aクラス4回という数字と比べても、いかに西武が健闘しているかがよく分かる。昨年は42年ぶりの最下位に沈んだが、今年は3位に浮上し底力があるところを見せた。
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