「代理出産」はこんなに危ない! 日本人女性が「供給者」になる新たな貧困ビジネス
日本人が「依頼者」から「供給者」へ
このように、日本人はもっぱら外国人の代理母を用いてきましたが、最近はその構造も変化し、依頼者から「供給者」になりつつあります。国内での代理出産において、中国人富裕層から依頼された日本人女性が代理母になっているとの実態が、すでに16年には報じられています。
一般的な妊娠出産によるリスクに加え、代理母には第三者の卵子に由来する胚による妊娠のリスクが生じます。胚が無事に着床するよう高用量の薬剤が投与されるため、副作用がひどく、大量出血も起きやすい。早産や低出生体重児のリスクも増え、さらには多くの依頼者が望んでいることから、実質的に帝王切開が強制となり得ます。また一度に2人をもうけられるので、多胎妊娠を望む人が多い。これらに伴うリスクも存在します。
新たな貧困ビジネス
そんな中、実際に日本で合法化された場合は「無償かつ条件付き」となると思われます。この条件とは“生まれつき子宮がない人”を意味しますが、一方でそれは個人の属性に応じて生殖を許可することから、該当しない人にとっては差別的ではないかという批判が生じ、“条件”の対象は次第に拡大されていくことでしょう。
また、仮に親族に代理出産を依頼しても、前述した「諏訪マタニティークリニック」の例から問題が生じることは実証されています。となると結果的に第三者に依頼せざるを得なくなり、無償を掲げながらも産業として普及していくことが想定されます。それはすなわち、新たな貧困ビジネスとなって日本が「生殖アウトソーシング」先となることを意味します。
というのも、すでに無償代理出産が合法である国で、こういった事態が生じているからです。
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