「代理出産」はこんなに危ない! 日本人女性が「供給者」になる新たな貧困ビジネス

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 賛否渦巻く「代理出産」について、先ごろ自民党の部会が条件付きで認める案をまとめた。が、“女性の選択肢の拡大”といった美辞麗句とは裏腹に、その実態は危険に満ちている。「代理出産を問い直す会」の代表である東京電機大学の柳原良江教授が警鐘を鳴らす。

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 今年8月末、自民党のプロジェクトチームが代理出産容認案をまとめたと報じられました。

 これに先立ち2020年末には、議員立法により、

〈生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律〉

 が成立しています。これは人工授精などの親子関係に関する法律であり、代理出産に関してはこの時“2年をめどに是非を検討する”という流れになっていました。

 今回の案は、まず生殖医療に関して発展させた法律を作り、さらに代理出産についても、国内で臨床研究の準備が進む「子宮移植」が実用化するまでの時限措置としながら、人工授精などと同じく道を開く形で容認する具体的な道筋を描いたものといえます。

 こうした動きと並行し、最近は影響力を持つ一部の女性タレントやモデルが「女性の選択肢が増える」などと、SNSなどで賛意を表明するケースが目立っています。ですが、はたして本当に“喜ばしい拡大”なのでしょうか。世界中で行われてきた代理出産の実情を知る立場としては、このたびの容認案に異を唱えざるを得ません。

古典的な代理出産は20世紀半ばまで存在

 そもそも代理出産とは、依頼のもとに妊娠・出産し、生まれた子を依頼者に引き渡す行為で、昔ながらの「古典的代理出産」、つまり性行為による契約妊娠と、最近議論されている「近代的代理出産」とに大別されます。この近代的代理出産には、人工授精を用いて代理母の卵子で妊娠する「人工授精型」と、依頼者あるいは第三者の卵子を用いる「体外受精型」の二つがあり、よく耳にする“代理懐胎”とは一般的に後者を指すものです。

 歴史をひもとけば古典的代理出産は、日本を含め東アジアでは「子産み契約」として20世紀半ばまで存在していました。日本では近代においても妾契約が一種の代理出産の役割を果たし、中国では清の時代にそうした出産に関する裁判の記録が残っていて、以降も事例が報告されています。

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