「2トンの車を坂の下から上まで押させた」 井上尚弥の父が明かす“スポ根”トレーニング術

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 スポ根漫画の金字塔「巨人の星」では、父親の星一徹が飛雄馬に“大リーグボール養成ギプス”を装着させて筋力増強を図った。ボクシングの井上尚弥(29)もまたしかり。父が課した過酷な練習を乗り越え、晴れて4団体王座統一を成し遂げたのである。その「令和の一徹」が語った勝利に至る道程とは――。

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 井上は12月13日、WBOのベルト保持者、ポール・バトラー(34)と東京・有明アリーナのリングで拳を交えた。試合が決したのは11回。防御に徹するバトラーを左ボディからの連打で、リングに沈めたのだ。世界バンタム級4団体の王座統一という偉業を達成した瞬間だった。

「RONSPO」編集長の本郷陽一氏が言う。

「4団体統一の王者となったのは史上9人目ですが、バンタム級ではこれまで一人もいませんでした。しかも、王者4人からすべてKOでベルトを奪ったのも、これまでの歴史で初めてのことです」

 そんな快挙を果たした井上の強さについては、

「攻守に隙がない。パンチ力、スピード、技術、すべてが桁違いのレベルです。天性の素質に負う部分はあるものの、やはりトレーナーの父親と二人三脚で歩みながら、日々の練習を積み重ねてきた結果だといえるでしょう」(同)

“僕も父さんとボクシングを一緒にやりたい”

 ここで父・真吾氏(51)本人にご登場いただこう。まず、改めて王座統一については、

「ノンタイトル戦でも世界戦でも、どの試合も一緒です。軽い試合などありません。そう思ってきましたが、やはり王座統一はすごいこと。重みがありますね」

 と、感慨もひとしおの様子。これまでの道のりを振り返ってもらうと、

「尚弥がボクシングを始めたのは小学校1年生、6歳の時でした。私はアマチュアのボクサーだったのですが、自分が練習する姿を見て“僕も父さんとボクシングを一緒にやりたい”と言い出した。6歳からコツコツと積み上げた努力が実を結んだのだと思います」

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