乃木坂46の写真集が売れる“しかけ”とは? 5大トピックスから振り返る2022年のグラビア事情

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 近年ではデジタル写真集の定着に女性のグラビアファンの増加など変化が生まれているグラビアの世界。はたして2022年にはどんな出来事があったのか。グラビア評論家が5つのトピックスで振り返る。【徳重龍徳/グラビア評論家】

写真集ランキングは坂道系グループが完全制覇

 毎年発表される「オリコン年間BOOKランキング」の女性写真集部門では、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46のいわゆる「坂道グループ」関連作品が1位から10位までを独占した。

 写真集全体のランキングでも2位に入った乃木坂46・賀喜遥香のファースト写真集「まっさら」は20万部に迫る大ヒット作となり、乃木坂46・生田絵梨花の卒業記念作である「カノン」、日向坂46河田陽菜のファースト写真集「思い出の順番」も10万部を超えるヒットとなった。

「ただ人気アイドルグループだから、売れているんでしょ」と思う人もいるだろうが、実際はそれだけない。筆者は2022年、100冊のアイドル写真集を見ているが、坂道系の写真集はほかのタレントの写真集に比べるとどれも質も高く、とにかくコスパが良い。

 通常、タレントの写真集は100ページ前後だが、乃木坂・賀喜の「まっさら」は160ページ、河田の「思い出の順番」にいたっては256ページもあり、まず坂道系の写真集は物量の面で他を圧倒している。さらにそのページ数を活かすべく、多くのシチュエーション、衣装、表情が盛り込まれ、モデルとなるアイドルの魅力を余すところなく伝える。坂道系グループは雑誌では水着にはならないが、写真集では水着などの露出もきっちり収められている。

 しかも、値段も安い。写真集は大体3,300円が多い中、坂道系の写真集は若いファンにも購入しやすいように2,200円で固定されている。かわいく、量も多く、しかも安いという圧倒的コスパの良さで、売れるのは必然といえる。

 満足度が高いため写真集は売れ、その売り上げを見込んで制作サイドもお金をかけた写真集の制作ができる。この高スパイラルが続く限り、今後しばらく写真集は坂道系アイドルの独壇場となりそうだ。

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