渡辺裕之さんの実弟が明かす“最後の会話”  取材に「本当に原さんと結婚してよかった」【スクープその後】

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本当に原さんと結婚してよかった

ワイドショーなどでは、「うつ症状だった」との指摘もなされていた。その辺りはどう感じていたのだろうか。

 改めて幹夫氏に伺うと、

「それが正しいのか、正しくないのか、あまりに急なことだったので、私にもまだわからないことがたくさんあるんです。ただ一つ言えるのは、健康状態も良く、家庭関係も円満だった。何かに絶望してというものではありません。だから、私も原さんも、今回のことは予見できなかった。周囲に突然見切りを付けるような死に方ではなかったということです」

 と述べる。

「兄は、幼い時から器用なタイプでした。身体能力も高いし、ドラムもうまい。あの見た目ですから、学校でもよくモテましたよ。良いところは、すべて兄が持っていました」

 と幹夫氏は言うが、前述の通り、生き方そのものについては、むしろ不器用だったのか。逆にそれゆえの悲劇だったのかもしれないのだ。

「そんな兄だけに、本当に原さんと結婚してよかったと思います。原さんはいつも落ち着いていて、奥さんというより、同志のような……。結婚は兄のカンで実ったようなものでしたが、これ以上ないパートナーでしたよ」

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(以上、「週刊新潮」2022年5月19日号再掲)

 今年9月のロサンゼルス日本映画祭では、渡辺さん原さん夫妻が初めて夫婦役として共演した映画「雪の花」の追悼上映が行われ、原さんも自身のインスタグラムで「海の向こうで私達の映画が上映されるなんて感激です!」と投稿。また、本日30日には渡辺さんの遺作となった「近江商人、走る!」が公開される。渡辺さんのたくましい姿は、これからも私たちの心の中で生き続けるのだろう。

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■相談窓口

・日本いのちの電話連盟
電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/

・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
電話 0120-279-338(24時間対応。岩手県・宮城県・福島県からは末尾が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570-064-556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html

・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
https://jscp.or.jp/soudan/index.html

週刊新潮 2022年5月19日号掲載

ワイド特集「我々はどこから来て、どこへ行くのか」より

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