渡辺裕之さんの実弟が明かす“最後の会話” 取材に「本当に原さんと結婚してよかった」【スクープその後】
「リポビタンD」のCMなどで知られる、俳優・渡辺裕之さん(享年66)が急逝してからが約8カ月が経った。今年5月、故人の実弟・幹夫さんは週刊新潮に取材に応え、亡き兄への思いを語ってくれた。改めて、幹夫さんが明かした最後の会話、そして渡辺さんの妻・原日出子さんへの思いを振り返りたい。
(以下、「週刊新潮」2022年5月19日号を再掲する。日付や年齢、肩書などは当時のまま)
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【写真7枚】弟・幹夫さんが撮影した、最後に会った時の「渡辺裕之」このときは元気そうに見えたという
「連絡をもらったのは亡くなった、その直後だったと思います。ただただ驚きました」
とは、渡辺さんの実弟・幹夫氏だ。
幹夫氏は渡辺さんの3歳下で、一時は兄のマネージャーを務めていたこともある。
「翌日には遺体と対面しました。原さんはやはり傷心の様子でしたね。代わりに、子どもたちがしっかりと対応していましたよ……」
と言葉すくなに語る。
渡辺さんが世を去ったのは、5月3日のことだった。憲法記念日のその日、横浜市内の自宅にいた渡辺さんは午前中、地下に設置されているトレーニングルームに入ったという。昼頃、原さんが昼食の用意ができた、と呼びに行ったところ、倒れていた渡辺さんを発見。その後、死亡が確認された。死因は縊死(いし)と発表され、遺書はなかった。
仕事もプライベートも順調に見えたが…
渡辺さんは特撮映画や恋愛ドラマで俳優として人気を博す一方、鍛え上げた肉体を生かし、CMでも活躍。中でも「リポビタンD」のCMで「ファイト、一発!」と叫ぶ姿で大きな脚光を浴びた。
妻の原さんとはおしどり夫婦として知られ、また、今年に入っても複数のドラマに出演し、予定も含めて出演映画が6本公開されるなど、仕事は順調だった。
プライベートでは趣味のゴルフはプロ級の腕前。ジャズバンドを組んでドラムを担当し、ライブに出演することも。さらには、ゴミ拾いが日課で、毎朝、ジョギングや散歩がてら、ゴミ袋を両手に持ち、空き缶やタバコの吸い殻を拾う姿がメディアにしばしば取り上げられた。
外からは、およそ自殺という言葉からかけ離れた人物に見えただけに、衝撃が走ったのである。
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