カニ、イクラ、カズノコ…何もかも高い「お正月」の魚介類 そこでおススメする水揚げ量「日本代表ベスト8」

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 ここ最近、さまざまなモノの値上がりが広がる中、魚介類も一般大衆魚から高級魚介に至るまで、軒並み価格が高騰している。この年末も、カニやイクラ、マグロなど、お買い得品を探そうと店頭を眺めて、渋い表情を浮かべた人は多かったのではないか――。おせち料理を食べる人が減っているとはいえ、正月くらいは普段あまり食べない高級魚介を口にしたいもの。だが、その一方で、日本を代表する魚たちが見過ごされてきたのも事実。小イワシの天ぷら、中小サバの味噌煮、ともに塩焼きも味わい深い。高級魚介に手が出ないとの声が上がる半面、日本では手ごろでおいしい魚を持て余している現状がある。【川本大吾/時事通信社水産部長】

 この年末は、近年にないほど高級魚介の高騰が目立った。カニをはじめ、イクラやウニ、タコ、カズノコなどが昨年よりも値を上げて、がっかりした人も多かったであろう。あるスーパーの幹部は、「何もかも高くて、お客さんには本当に申し訳ないと思っています」と恐縮していた。

 行動制限が解かれ、インバウンドも増えてきたこの年末、東京・築地場外市場(中央区)では、タラバガニが1肩およそ1万円。イクラは物足りない量でも1カップ1500円。カ
ズノコ、タコ、マグロも一年前より格段に高いと鮮魚店関係者はこぼしていた。

“大衆魚”も不漁で高かった

 思えば昨年秋以降、サンマの不漁を筆頭に、スルメイカ、サケなどが概ね低調な水揚げに見舞われた。サンマの漁獲は、引き続き過去最低水準。脂が乗ったサンマにありつけないばかりか、魚屋に並んでも身が細い割に値段は高かった。スルメイカも不漁で、かつて1杯100円ほどの特売が行われていた頃を、懐かしむしかなかった。肝がたっぷりと膨れ、全身が黒々とした鮮度抜群のスルメイカが安く売られていたのは、遠い昔話のようだ。

 サケについては、北海道などで昨年10月頃に水揚げが回復したというが、“新巻き”はともかく、筋子やイクラが安くなったとは言い難かった。どうも値段にしては容量が少なく、「好きなだけご飯にかけて食べたい」という欲求は満たせそうにない。

 ここ最近は、「とにかく魚介類は何もかも高いね」というのが、豊洲市場や築地場外市場の合言葉となっているが、筆者には少し気になることがある。話題に上ることは少ないものの、イワシやサバ、ホタテガイ、カツオ、スケトウダラ、カタクチイワシ、ブリ類、アジは近年、たくさん獲れていて値段も比較的安いのだ。

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