山本コウタローさん、「『走れコウタロー』『岬めぐり』とたった2曲で50年」で笑わせる話術の妙【2022年墓碑銘】

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2曲で50年

「音楽を大切にしながら次第にオピニオンリーダーの方向に進みました。口先だけではなく行動する。原爆被爆者の養護ホーム建設のため、広島でチャリティーコンサートを呼びかけ、南こうせつさんらと地道に続けもしました」(富澤さん)

 約7千万円を広島市に寄付した年もあった。

 87年、白鴎大学の非常勤講師に。99年に教授。社会学を担当、学生の信頼を集めた。

「自分で考え、創造する力を養ってほしいとの思いが込められていた」(富澤さん)

 2005年、「山本コウタロー&ほぼウィークエンド」を新結成。さらにバンドのメンバー役として「渡る世間は鬼ばかり」に出演と、振り返るより挑戦した。

 19年の定年退職まで白鴎大学教授を続け名誉教授に。

「近年は耳が聴こえづらくなっていましたが、頭脳は明晰。“『走れコウタロー』『岬めぐり』とたった2曲で50年”と自ら言って笑わせる話術も健在でした」(富澤さん)

 熱烈なヤクルトファンで、6月末にも神宮球場で巨人との試合を観戦していた。

 7月4日、脳内出血のため73歳で逝去。

 同日、自宅で倒れているのを発見したのは一緒に暮らすパートナーの吉田さんだった。

デイリー新潮編集部

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