「小林麻耶の衝撃暴露」に「吉野家“生娘シャブ漬け”失言」、ネットを騒がせた2022年「炎上トラブル」を総ざらい

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杜撰すぎて

 キプチョゲは2時間2分40秒で優勝したものの、この凡ミスがなければ、記録更新になったかもしれない。何しろ、10秒のロスとはいえ、精神の動揺はあるし、リズムが崩されたことだろう。ネットでは白バイの先導が果たして必要かどうかの意見も出た。その先導が完璧ならばあった方が選手はやりやすいかもしれないが、時々こうしたおっちょこちょい先導者がいた場合は目も当てられない。

 こんな騒動はあったものの、キプッチョゲは9月のベルリンマラソンを2時間1分09秒で優勝し、自身の持つ世界記録を更新した。あぁ~、よかった。東京マラソンが悪者にならないで済んだ。

【5】は、【2】の4630万円誤送金事件と同様に、私の大好物である「無能な労働者が馬鹿なことをした」、尼崎市の全市民46万人分の個人情報の入ったUSBメモリーを紛失した件だ。データの管理を東京のビプロジー社に委託。同社はこれを再々委託先に預けた。相当ピンハネをしていたのだろう。神戸新聞の電子版によると、なかなかに杜撰過ぎて「無能」の極みである。

〈USBを紛失したのは再々委託先の男性従業員。6月21日、市役所内のサーバーから個人データを無断でUSBにコピーし、ビ社の拠点へ持ち出して作業した。同日夜からビ社社員ら3人と飲酒し、翌22日未明、酔ってUSBの入ったかばんを紛失。紛失判明から約56時間後、警察官がかばんを発見した。〉(神戸新聞NEXT 11月28日付)

 見つかってよかったものの、ビプロジー社は再委託を禁止されていたというのにそれを破り、隠蔽工作をしていたという。無能サラリーマンの「怒られたくない!」というセコい気持ちが出まくるこの珍騒動、日本なんてこんなもんである。

 同様の凡ミスとしては、横須賀市の市立中学の教諭がいる。新型コロナ感染対策になると考え、2021年6月23日から同9月3日までプールの水を流し続け、市に348万円の損失を与えたのだ。校長・教頭・当該教師でこのカネは半額支払ったという。これは2022年4月に神奈川新聞に報じられた。この教師のコロナへの恐怖感は凄まじく、他の教師が止めても再び栓を開けたほどである。

 後編に続きます。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』等。

デイリー新潮編集部

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