「コロナの病原性はインフルエンザより弱い」「高齢者が街に帰ってこない」 老年医学の権威が語る第8波の過ごし方

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専門家と称する医師たちのレベルは…

 分科会には感染症の専門家のほか、精神科医や老年医学の専門家なども加えるべきでした。また、尾身会長をはじめ、権威とされている学者ばかりを集めすぎました。

 すでに権威づけられている人ほど、状況が変わったり、新しい論文が出たりしても、フレキシブルに対応できない確率が高いものです。たとえば、ノーベル賞受賞者を迎え入れたところで、すでに認知症かもしれないのです。「昔の名前」は当てになりません。

 感染症専門家と称する医師たちのレベルは、ワクチンについての発言にも、如実に表れています。

免疫の仕組みすら理解していない

 ワクチンの役割は免疫細胞を教育することです。どれが敵かを認識させ、どう攻撃するか免疫に教え込む、いわば教官がワクチン。したがって、すでに免疫力が落ちてしまっていると、いくら教育してもたいして効かないので、ワクチンの効果を高め、効き目を長持ちさせるためには、免疫力を高める必要があるのです。

 ところが専門家たちは、接種後に「ワクチンの抗体価が下がる」という指摘ばかりします。接種後に、その効果がどの程度持続するか。それは接種した人の免疫力と関係があり、免疫が低下すれば、抗体価が下がるのは当たり前のこと。

 専門家たちに「ワクチンが有効に作用するためにどうすべきか」という視点がないのです。感染症学者と称する人たちが、免疫の仕組みすら理解していないことには驚愕します。

 とにかく、こういう人の言いなりになって、自分が衰えてしまっては、元も子もありません。

 私の外来に来られる認知症の患者さんには、本人がコロナを怖がっているため、家族が薬を受け取りに来る方と、本人が歩いて来られる方がいます。後者は「歩かないと歩けなくなりますから」と言って、元気に歩いて来られて、実際、足腰の健康を保っています。一方、前者はいらした家族に聞くと、「コロナを怖がって外出しないんです」という話で、私が「足腰が衰えていませんか」と聞くと「だいぶ衰えましたね」という返事です。この両者の差は非常に大きいです。

 ここ2年数カ月、「高齢者を感染から守る」と言われてきましたが、結果、高齢者ばかりが割を食ってしまいました。

老後の楽しみを味わえずに亡くなるとしたら…

 日本では年間130万~140万人が亡くなります。しかし、現在、このうちの100万人くらいは、死に目に家族や親しい人に会えていないと思います。ほとんどの病院が見舞いを禁止している以上、孤独な死が避けられないのが現状です。その意味で、高齢者は新型コロナの被害者というより、コロナ自粛の最大の被害者なのです。

 また、年を重ねた人ほど、外でおいしいものを食べられる機会も、自由に旅行をする機会も、いつまで得られるかわかりません。80歳の壁を無事に越えることができたとしても、85歳になっても同じように行動できるかわからないのです。このような老後の楽しみ、老後にこそ、と思っていた楽しみを、味わえないまま亡くなるとしたら、これほど不幸な晩年はありません。

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