海自「特定秘密」漏洩事件、依頼したOBは“暴君”と恐れられた「海上幕僚長」候補だった

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陸自セクハラ問題との関連性

 一方で防衛省関係者は、今回の漏洩問題についてこう指摘する。

「陸上自衛隊の郡山駐屯地に所属していた元1等陸士・五ノ井里奈さんが複数の男性隊員から性暴力を受けた問題で、防衛省は15日、関与した5人を懲戒免職処分とする異例の措置を取った。五ノ井さんの告発を受け、防衛省は特別監察を実施して11月末までに1414件のハラスメント行為があったと認定。うち8割超に当たるのがパワハラで、今回の海自1佐による漏洩問題もこの延長線上にあるとの話を聞く」

 15年に発覚した「元陸将」の陸自OBが現役隊員から提供を受けた教本を在日ロシア大使館の駐在武官に渡していた問題では、警視庁公安部が捜査に乗り出し、元陸将らを書類送検。しかし今回は自衛隊内の警務隊が調査を担当している点も、広義な意味での「大物OBによるパワハラ問題」と捉えられた可能性を示唆しているという。

 また今回の一件が与える将来的な影響について、前出の海自関係者はこう話す。

「自衛隊内において、現役隊員とOBが情報交換するのは珍しいことではありません。しかし井上1佐が懲戒免職となったことで、現役組がOBに話す内容については今後、かなり神経質になるのは間違いない。たとえば防衛産業が退官後の自衛官OBを受け入れているのは、その知見だけでなく、古巣とのパイプを期待してのこと。現役隊員から情報を得られないOBを迎え入れるメリットはなく、自衛官の再就職にも影響を与えかねないと不安の声が広がっています」

 防衛費増額の議論の前に、まずは内部の統制や規律に関する検証が必要ではないか。

デイリー新潮編集部

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