【巨人・坂本勇人かみつき事件】被害女性への慰謝料は「550万円」【スクープその後】
550万円で“手打ち”に
「さすがにまずいと思ったのでしょう。翌日、坂本選手が複数の選手を引き連れて来店し、マイさんとは対面して詫びを入れています。また、“誠意”のつもりでしょうか、彼は彼女のバッグにお札をねじ込んだ。金額は7万円だったという話です」(同)
坂本としては、その程度の金額で騒ぎが収まるのであれば、安いものだったのだろう。ところが、もう一人の女性、エリカさんは坂本による“犯行”を重く見ていたようだ。
「最初に50万円を受け取ったのですが、それでは収まらず、ついに“代理人”を名乗る男が登場。再び坂本側と交渉を持ちました」(前出・知人)
この知人によると、北九州市在住のその“代理人”は「弁護士資格」を持っていない人物だったという。ちなみに、「資格」なしの人間が和解交渉を行うのは弁護士法に違反する非弁行為に当たる。
「その結果、坂本側は18年7月に追加で500万円支払うとし、女性側も総額550万円で手打ちとなりました。和解金は巨人の代理人弁護士を通じて、宮崎市内に暮らすエリカさんに支払われたが、その金は坂本個人が出したそうです」
これで思い出されるのは、「週刊文春」(12年6月28日号)が報じたあの一件だ。
「記事は原監督が過去に関係を持った女性問題に絡み、元暴力団組員に脅され、1億円を支払ったという内容でした。巨人は発行元の文藝春秋を名誉毀損で訴えましたが、逆に裁判で文春側の報道の真実性が認められて、16年に巨人の敗訴が確定しました」(社会部記者)
坂本の振る舞いや対応は、まさに親分、原監督が作り出してきた環境やその背中が醸す雰囲気に影響を受けてしまった結果というほかあるまい。
「その件は喋れないんです」
550万円を受け取ったエリカさんに直接、質問を投げかけると、
「その件は喋れないんです。お店とももめたみたいで……私との一件があってから、巨人の選手は来店していませんね」
と、黙して語らずとも、「一件」の存在を示唆した。
また、“代理人”も、
「エリカさんのことは知っていますが、それ以外については話せない」
そこで、読売巨人軍に質したところ、
「当球団の顧問弁護士が、先方から反社会的勢力及びその密接交際者ではないとの確約を得た上で、適切に解決しました」
スポーツ界のコンプライアンスに詳しい岡筋泰之弁護士が指摘する。
「球団は選手が問題を起こした事実を把握していたのであれば、しっかりと調査し、場合によっては公表に踏み切っていた方が、結果的には選手も傷つかずに済んだのではないでしょうか」
女性関係の清算ではなく、“かみつき事件”の処理という異例の珍事。原監督の1億円に比べれば坂本の550万円は安く上がったともいえる。とはいえ、手痛い授業料となったのも間違いなかろう。
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(以上、「週刊新潮」2022年6月23日号再掲)
今季は3度も故障離脱し、出場83試合と5本塁打という記録にとどまった坂本。今回の契約更改の結果にファンからは「給料泥棒」との声も上がる中、来季は正念場の一年となりそうだ。
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