山上容疑者の母親が語った“本音”「信仰は続けたい」 妹は「事件起こしたとか言われても、知らん」【スクープその後】

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深夜に異音が

 家賃3万5千円、19平方メートルで間取り1Kの部屋は武器工場と化し、外に異音が漏れていた。マンション階下の住民が言う。

「月に1、2回、深夜に“ギュイーン、ドドドド”という音が響いていました」

 今月5日、山上容疑者を目撃していた別の住人は、

「こちらからあいさつをしたんですが、会釈すらなく、目も伏せたまま。まるで、自分以外は世界に誰も存在しないかのようでした」

 手紙の先を読もう。

〈私と統一教会の因縁は約30年前に遡ります。母の入信から億を超える金銭の浪費、家庭崩壊、破産‥,この経過と共に私の10代は過ぎ去りました。その間の経験は私の一生を歪ませ続けたと言って過言ではありません。

 個人が自分の人格と人生を形作っていくその過程、私にとってそれは、親が子を、家族を、何とも思わない故に吐ける嘘、止める術のない確信に満ちた悪行、故に終わる事のない衝突、その先にある破壊。〉

夫の死亡保険も寄付

 手紙を受け取ったルポライター、米本和広氏が語る。

「山上容疑者の犯罪は許されることではないですけど、家庭環境を考えると、その苦しみは理解できます。実際、統一教会によって家庭が崩壊してしまうケースは多いですから」

 事件の背景には母親の統一教会への入信がある。山上容疑者の伯父によると、入信のきっかけは二つ。一つは、父親が1984年12月に自殺したことだ。

「翌年2月に妹が生まれたのですが、彼女は父親の顔を知りません」(伯父)

 加えて、山上容疑者の兄が6歳の時に小児がんになったことも、母親を信仰の道へと駆り立てた。

「長男は7歳で抗がん剤を投与され、その翌年には頭蓋骨を開ける手術まで行っています」(同)

 信仰は家族を一切顧みないものだった。

「統一教会は母親の入信時期を98年だと発表していますが、あれは間違い。本当は91年です。入会時に、2千万円を献金してますよ」(同)

 3年以内に母親は合計で6千万円を教会に寄付。原資は主に夫の死亡保険金だった。

 山上容疑者は手紙の続きでこう訴えている。

〈世界中の金と女は本来全て自分のものだと疑わず、その現実化に手段も結果も問わない自称現人神。

 私はそのような人間、それを現実に神と崇める集団、それが存在する社会、それらを「人類の恥」と書きましたが、今もそれは変わりません。〉

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