「ゴーン」の家政婦は見た! 突然のレバノン逃亡、直前に見せていた一家の様子

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知らなかった国外逃亡、いま思えば…

 12月29日に決行された国外逃亡について、けいこさんはまったく知らされていなかった。のちに行われた検察の取り調べにもそう答えている。ただし3年が経ち「いま思えば」という点はいくつかあるそうだ。不自然に旅行鞄が増え、それがいつの間にかなくなっていた。「友達に贈るんだ」とゴーンがワインを送る用の箱を用意していた……。逃亡にあたって荷を持ち出していたのかもしれない。

 それと思しき振る舞いはほかにもあって、

「年末年始に、わたしが父といっしょに旅行に行きたいと思っていて、それを娘ちゃんに伝えていたんです。するとカルロスが『娘から聞いたんだけど、いつ休みたいの?』『いっぱい休んでいいよ』と言ってくれて、12月27日から年明けまで、長めのお休みをくれた。29日に逃亡する計画があったからかもしれません。 あと、その年のクリスマスに家族が家に集まることになっていたのですが、ツリーの用意がなかった。娘ちゃんは『みんなが帰った後に寂しくなるから用意しなくていいってパパが言っている』と。これもやっぱり、逃亡が念頭にあったから、わざわざ買わなかったのかも」

 ただしこのとき、けいこさんは気を利かせ、25日の家族のパーティーにあわせサプライズで紙のツリーを作った。翌日、出勤したけいこさんに「写真をいっしょに撮ろう」とゴーンが持ち掛けてきた。

「普段はそんなこと絶対に言わないので変だなと思いつつ、クリスマスだからかな、と。『好きなワインを2本持ってっていいよ』とも言われ、分からないので選んでもらいました。これもいま思えば、最後の思い出作りをしてくれたのかもしれませんね」

 これが、けいこさんがゴーンと会った最後だった。逃亡はテレビの報道で知ったそうだ。

「ニュースを見て、嬉しくて涙が出てしまいました。なぜかと言われるとうまく説明できないのですが、奥さんに会える、よかったね、という気持ちですかね。でも最初は信じられなくて、娘ちゃんや姉妹に連絡を取りました。そしたら『本当だよ』と」

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