逃亡から3年「ゴーン」の家政婦は見た! ボロ靴下を縫って履いた「日産会長」の素顔
日産自動車元会長のカルロス・ゴーンが国外逃亡をはかったのは、3年前の12月29日のことだった。逃亡先であるレバノンからの身柄引き渡しは行われず、裁判は今も見通しが立たないままだ。稀代の経営者から一転、国際手配されるまでになったゴーンの数年間を、間近で見ていた日本人女性がいる。(全2回の1回目)。
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「つい先日も、カルロスからのメッセージを受け取りました。『良いことを語ってくれました』『このドキュメンタリー大好き』『あなたは本当に思いやりのある人でした』と。 WhatsAppを使い、奥さんのキャロルを介してやりとりをしています」
こう語るのは、ゴーンの元でおよそ7年間にわたって家政婦を務めたけいこさん(47)だ。彼女にインタビューしたのは2022年12月上旬。いまもっともゴーンに近い日本人に違いない。
先のやりとりにある「ドキュメンタリー」とは、10月6日よりNetflixで配信されている犯罪ドキュメンタリー『逃亡者 カルロス・ゴーン 数奇な人生』を指す。本作でけいこさんは、ルノーの元CEOやジャーナリストらと共に取材に応じ、ゴーンの素顔を証言しているのだ。
ゴーンには、8年間で計約91億円の報酬を開示しなかったなどの容疑がかかっている。共犯とされる日産自動車元代表取締役グレッグ・ケリー被告に対しては、今年3月に懲役6カ月執行猶予3年(求刑・懲役2年)が言い渡された。
けいこさんはゴーンの不正疑惑はもちろんのこと、国外逃亡もまったく知らされていなかった。ある日突然、家政婦の仕事を失ったという意味では被害者ですらあるが、ゴーンへの恨みつらみは皆無だ。
「いま、わたしはファーストフード店でアルバイトをしていますが、こっちの上司の方がカルロスより怖い。カルロスはいつも優しくて、洗い物のときにグラスを割りまくりましたが、一度も怒りませんでしたよ(笑)」
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