日本人は皇族の名に弱い…南アフリカのレアメタル投資詐欺で被害者が崇めた宮家とは

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 日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。昨年、『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、皇族の名を悪用した詐欺事件について聞いた。

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 太平洋戦争後、皇族を騙る者が続出し、詐欺事件に発展したケースもある。

「最初は、終戦直後に現れた熊沢天皇と呼ばれた男です」

 と語るのは、勝丸氏。

「自分の父親は明治時代に南北朝時代(1337年~1392)の南朝の天皇の末裔だったと主張していました。『お前は南朝の天皇の末裔だ』と言われて育ったそうです。北陸地方を行脚し、支援者を増やし資金提供を受けていました。新聞でも取り上げられ、金持ちのパトロンがつきました。ところが戦後復興で昭和天皇が全国を巡幸すると、本物の末裔かどうか疑われ始め、最終的には姿を消してしまいました。当時、皇位継承者を自称すると不敬罪(1947年廃止)で訴えられましたが、なぜか彼は訴えられなかったですね。最も本人は亡くなるまで自分が天皇の末裔だと信じていたそうです」

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