増税反対の高市早苗を“鎮圧”…背景に“大物”の名前が 次なる閣僚交代の候補は?
「麻生・茂木の関係にも影響が」
松本氏は昨年、同僚議員二人と緊急事態宣言下の銀座で飲み歩いていたことを本誌(「週刊新潮」)に報じられ、離党を余儀なくされた。無所属で同年秋の衆院選を戦うも落選。現在は復党している。
この関係者が続ける。
「松本さんは地元県連から党本部に抗議文が出され、復党に時間がかかった。ならば、今回はいっそ辞職した方が薗浦さんの傷が浅くなるのでは、と麻生さんは考えていたんです」
薗浦氏は21日、議員辞職し、自民党からも離党した。
元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏が言う。
「政治資金規正法違反は贈収賄に比べると悪質性が低いと一般的にいわれています。4千万円の不記載や虚偽記載だと逮捕はせずに略式起訴で罰金刑という処分が最も考えられます」
そうなると原則5年の公民権停止も科されるが、薗浦氏はこの間、大規模買収事件で立件された河井克行元法相の弁護人をつけ、公民権停止期間を短くすることを狙っていた。さらに、辞職の影響は思いのほか大きいと自民党関係者が言う。
「薗浦さんが政界からいなくなれば、麻生・茂木の関係にも影響があるでしょう」
10月、茂木敏充幹事長は岸田総理と麻生氏との関係を古代の共和政ローマの「三頭政治」になぞらえた。岸田派、麻生派、茂木派の領袖が頻繁に顔を合わせ、岸田政権を支える、という意味を込めてのことだった。
しかし、その三人の絆に亀裂が生まれつつあるのだ。
“何で言ってねえことで批判されなきゃいけねえんだ”
「薗浦さんは、党の副幹事長の役に就き、いわば“裏の調整役”でした。元読売新聞記者という経歴を生かし、マスコミや官僚と会食を重ね、情報を麻生さんと共有し、その意向を茂木さんに伝えるメッセンジャー役でもあった。これから意思疎通の面で難が出てくる可能性もあります。薗浦さんという2人目の側近まで失い、麻生さんは“松本純が帰ってくるまでは辞めない”と漏らしています」(同)
その茂木氏について、岸田総理の不信感は増している。13日の茂木氏の会見で、総理が増税について「今を生きる国民が自らの責任として対応すべきもの」と党役員会で発言したと紹介。「上から目線」とネットで炎上し、猛批判を浴びた。実際の発言は「国民」ではなく「我々」だったのだが、
「岸田総理は“何で言ってねえことで批判されなきゃいけねえんだ”と茂木さんに激怒していました。岸田総理は激昂すると、べらんめえ調になるんです」(青山氏)
茂木氏は総理の怒りもどこ吹く風。素知らぬ顔で年明けからの反転攻勢に向け、「秘策」を画策している。
「“パンツ委員長”こと高木毅国対委員長の交代です」
と、前出デスク。
「飲み仲間として親しかった茂木さんと高木さんですが、国会まわしの稚拙さに茂木さんもいよいよ堪忍袋の緒が切れ、外そうとしているようです。後継候補として複数人の名前が取り沙汰されています」
ただし、実現には高いハードルがある。
「高木さんを国対にねじ込んだのは森元総理ですから、森さんの了解を取らねばなりません。そもそも岸田総理は旧統一教会に関する党内アンケートや救済新法の対応などで茂木さんに不信感を持っており、“茂木幹事長を切るのでは”という情報も流れた。その背景には岸田総理の茂木さんに対する複雑な心情がある。ゆくゆくの幹事長交代も視野に入れてくるでしょう」(同)
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