「笑点」人気は活躍の一部、「六代目三遊亭円楽さん」のずば抜けたプロデュース力【2022年墓碑銘】

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七代目圓生を襲名しようと

「圓楽一門は全国で落語会を開きました。落語を実際に聞いたことがない人にとって、まず浮かぶ落語家といえば『笑点』のメンバー。彼の人気は集客力につながった」(広瀬さん)

 2010年、還暦で六代目を襲名。その直前の07年、協会、会派の違いを越えた「博多・天神落語まつり」を実現、毎年の名物に。まさに多数の利益を察した形だ。

 作家で落語に造詣の深い吉川潮さんは言う。

「大勢のスケジュールを突き合わせて調整し、各方面と交渉するのが好きで得意。ずば抜けたプロデュース能力です。隅々までぬかりなく気を配り、落語家、お客、協力者が皆満足した」

 同様の落語イベントを札幌、東京でも成功させた。

「誰が伸びていて面白いかをよくつかんでいた。気遣いはしても妙な忖度はせず、客観的で素直に褒めていましたね」(広瀬さん)

 大名跡である圓生は79年以来空位のまま。10年に襲名が論じられた際には名乗りを上げなかったが、20年に古希を迎えた暁には七代目圓生を襲名しようと決意する。その矢先に肺がんが見つかるのである。

「圓生の名を復活させ、次の世代につなぐ役目を担いたいとの思いでした。『笑点』は活躍の一部にすぎません。落語界全体を見渡していた大切な人を失ってしまいました」(広瀬さん)

デイリー新潮編集部

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