オズワルド、ザ・マミィなど若手芸人から圧倒的支持!ラップユニット「MOROHA」に見る“音楽とお笑い”

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ザ・マミィが証言する魅力

 中でも、MOROHAファンとして知られるのが「キング・オブ・コント2021」準優勝の「ザ・マミィ」だ。文化放送のラジオ「ザ・マミィのカラフルオセロザ・マミィの今一歩、前へ」の中で、リスナーから募集した怒りをギターに合わせて読み上げる「MOROHAのコーナー」を作るほどのファンだ。

 特にクズ芸人としても注目を浴びる酒井貴士は、MOROHAの曲「三文銭」のYouTubeのコメント欄に、歌詞、アフロのフリートークの部分をすべて書き起こしたものを書き込むほどの入れ込みぶりで、現在もそのコメントは残っている。

 いったいMOROHAのどこに惹かれるのか。ザ・マミィに聞いたところ、酒井 貴士と林田 洋平、コンビの連名でアフロが乗り移ったような熱いコメントを寄せてくれた。

「MOROHAを聴くときはいつも覚悟がいる。聴いて走り出したくなることもあれば、その場でうずくまりそうになるときもある。MOROHAが持つ人生を動かす力が凄すぎて、正直、今は聴きたくないって瞬間すらある。それでもやっぱりMOROHAを頼って、何度再起させてもらってきたか。MOROHAがいなかったら僕は今ここに立っていない。流し聴きをしたことがない唯一無二のアーティスト」

 一方でMOROHAにも芸人に対する大きなリスペクトがあると、前述の矢部さんは話す。

「アフロは笑いというものに対してすごく憧れがあるんです。ライブのMCで『笑っている方がいいに決まってるよ』とよく言うんです。MOROHAのライブはみんな真剣に見てくれて、泣いてる人とかもいて、なんか歯食いしばって見てるような人もいる。だけど、笑ってる方がいい、人を笑顔にできた方がいい。そういうお笑いに対する憧れがあるんです」

 ジャンルは違えど、同じ地平の先を見ているからこそ通じ合えるのだろう。

 2022年のM-1が終わり、優勝を逃した芸人たちはまた来年の大会に向けての準備を始める。悔しさを抱いた夜を革命を起こす幕開けの夜に変えるべく、今もMOROHAの曲で気持ちを奮い立たせているかもしれない。

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部

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