敗れてなおMVPに輝いたオリバー・カーン なぜ遅咲きの彼が歴史的なGKになれたのか(小林信也)
2002年、日韓共催W杯。日本が初めて舞台となった大会で、鮮烈な印象を残した選手のひとりは、ドイツのゴールキーパー(GK)、オリバー・カーンだった。
いかつい風貌、怖いほどの迫力。ドイツの守護神は、受け身でも守りでもなく、「攻撃の要」とさえ言いたいほど激しい闘志でチームを鼓舞した。野球の打者が投球を打ち返すかのように、カーンは相手シュートを撥ねつけた。それはGKの概念を覆す姿だった。
身長188センチ、ドイツ代表GK3人の中でいちばん小さい。...