モドリッチ37歳、メッシ35歳…“高齢”でも超一流のプレーを続けられるのはなぜか
メッシと同じW杯デビュー
中盤の底に位置して、長短のパスを駆使しながらゲームを組み立てる。意表を突いた右足アウトサイドのパスは“芸術品”と言われ、ミドルシュートも彼の大きな武器だ。
代表チームはもちろんレアル・マドリードでも、どこにいても自然とモドリッチにパスが集まるようになっている。
それだけチームメイトの信頼が厚いのはもちろんのこと、巧みなオフ・ザ・ボールの動きなど、天性のポジショニング感覚を備えているからだろう。「魔法使い」と呼ばれる由縁でもある。
W杯のデビューはメッシと同じ06年ドイツ大会で、グループリーグ第2戦、日本戦の後半33分だった(1-1)。しかし、チームはグループリーグで敗退し、20歳のモドリッチにとってはほろ苦いデビューとなった。
翌10年南アW杯は欧州予選で敗退し、14年ブラジルW杯もグループリーグで敗退したが、32歳と円熟期で迎えた18年ロシアW杯では世界に衝撃を与えた。
彼は出場した7試合のうち3試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるなど文字通りチームを牽引。ノックアウトステージでは3試合連続して延長・PK戦を制して決勝まで勝ち進み、クロアチアを初の準優勝に導くと同時にMVPを獲得した。
37歳の守備力
モドリッチのプレーで特筆すべきは、その守備力である。172センチ、66キロと小柄ながら、身体を張った正当なタックルでチームのピンチを未然に防ぐ。
カタールW杯準決勝のアルゼンチン戦、相手ゴール前でFKのキッカーを務めたが、相手クリアからカウンターを食らった。
左からのクロスに対し、右SBのポジションまで戻り、ヘディングでクリアしたのはモドリッチだった。モロッコとの3位決定戦でも攻撃参加したCBグバルディオルのカバーに戻って相手の攻撃を阻止した。
すでに37歳と、選手としてのピークは過ぎていてもおかしくはない。にもかかわらず、今大会もラウンド16の日本戦では98分までプレーし、ブラジルとの準決勝では延長戦後のPK戦でシュートを成功させた。
彼もまたメッシ同様、12年にレアル・マドリードに移籍加入して以降10シーズンにわたり、コンスタントに出場を重ねてきた。ヨーロッパの「トップ・オブ・トップ」に常に身を置き、攻守にハイレベルなバトルを繰り広げてきたのである。
リーグ優勝3回は少ないと感じるかもしれないが、それはライバルのバルセロナにメッシがいたからだった。しかしCL(欧州チャンピオンズリーグ)は3連覇を含め優勝5回、リーグとのダブルタイトルも2回達成している。
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