ポーランドのクリスマスマーケットで見た笑顔、隣国ウクライナの人々への親身な行動(写真家・在本彌生)
本格的な冬の到来を迎えた中欧・ポーランドでは、この時期ならではの行事、クリスマスマーケットが各地で開催中だ。クリスマスマーケットといえば、ドイツ、オーストリア、スカンジナビア、バルト三国など、冬の寒さが厳しいヨーロッパの街の広場で開かれる、クリスマスを祝う伝統的なイベントだが、中欧・ポーランドでクリスマスマーケットが見られるようになったのは実は近年のことだという。
チャーミングな広場で
クリスマスマーケットは多くの場合、街の中心にある広場や大通りで開かれる。イルミネーションとガラスボールなどで華やかに飾りつけられた大きなクリスマスツリーを中心に、たくさんの出店が並ぶ。家庭でのクリスマスの飾りつけに必要なものは大抵マーケットに並んでいるといっていいだろう。土地の名産物、クリスマスツリーを飾るためのオーナメントや、カラフルにアイシングをあしらったジンジャークッキー(食べるためというよりクリスマスツリーの飾りとしての用途の方が大きい)などもある。
ポーランド各地のクリスマスマーケットは、それぞれの町を代表する最もチャーミングな広場が会場になっている。運河と橋のある町として有名な水の都・ヴロツワフでは、豪華なゴシック建築の旧市庁舎のある旧市場広場、また、あのロマン・ポランスキーをはじめ、数々の名監督を輩出した映画学校のある町・ウッチでは、煉瓦造りの巨大な繊維工場跡に作られた複合施設「Manufaktura」の広場、首都ワルシャワではピンク色の旧王宮前から長い城壁沿いにたくさんの出店が立ち並び、多くの人々で賑わっていた。
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