女優からセクハラ提訴された劇作家・谷賢一氏とは何者か 演劇評論家に聞いた業界での評判

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 12月15日、劇作家の谷賢一氏(40)が、自らが主宰する劇団の所属女優からセクハラ被害を告発された。すでに訴状も東京地裁に提出されている。これを受け、翌16日に幕を開けるはずだった劇団の公演はすべて中止となった。劇作家・谷賢一とはどのような人物か?

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 被害女性は、ネット上で谷氏を告発した。

《私、大内彩加は自分が所属する劇団DULL-COLORED POP主宰谷賢一を提訴いたしました。/ずっと願っていました。誰かが谷を告発することを。/きっと同じように願っていた人たちは沢山いて、告発の準備をしていたけれどしなかった人、自分の生活を守るためにしなかった人、もう谷には関わりたくない一心で告発しなかった人たちを私は知っています。/私は2018年6月から谷に「日常的に胸やお尻を触る」「卑猥な言葉をかけられる」「卑猥な内容のLINEが送られてくる」等の性加害を2021年3月まで受け続けました。もっと深刻な、辛すぎる性加害もありました。詳細は訴状に記載しています。》

 さらに12月20日、被害女性は弁護士とともにオンラインで記者会見を行った。社会部記者は言う。

「彼女は劇団のオーディションに合格した18年6月から3年近くセクハラを受け続けてきたそうです。駅のホームで羽交い締めにされ胸をもまれたり、性行為を強要されることもあったそうで、550万円の損害賠償を求め、11月24日付で東京地裁に訴状を提出しています」

 会見ではLINEでのやり取りも公開された。彼女に恋人ができたことを知った谷氏からのLINEにはこうある。

2大戯曲賞を同時受賞

《大内くん、彼氏できたんだってね…。おめちゃんと報告しろよ……。勝手におっぱい触ってごめんね……また触っていいときあったら教えて下さい触りたいです……》(原文ママ)

 一体どんな男なのだろうか。演劇記者は言う。

「千葉県出身で、高校時代、教師になるには人前で喋れるようにと始めた演劇に夢中になったそうです。その後、明治大学文学部に入学し、演劇を学ぶため英国ケント大学に留学。帰国して2005年に劇団DULL-COLORED POP(ダル・カラード・ポップ)を旗揚げし、徐々に演劇界で注目されるようになりました。身長が185センチもあり、以前は指輪を光らせ、髪を立てたパンクロッカーみたいな風貌だったそうです。その見かけとは裏腹に観客の心をえぐるような作品を書き、演出や戯曲の翻訳、時には役者もこなすマルチプレーヤーです」

 2014年、谷氏が戯曲の翻訳と演出を手がけた「最後の精神分析―フロイトVSルイス―」が文化庁芸術祭賞・演劇部門優秀賞と小田島雄志・翻訳戯曲賞をダブル受賞し、演劇界のホープとして注目された。

 さらに20年には、新進劇作家の登竜門である岸田國士戯曲賞と年間最優秀作を選ぶ鶴屋南北戯曲賞をW受賞した。

「2大戯曲賞の同時受賞は前例のない快挙でしたから、演劇界では知らない者はいないでしょう。そうしたこともあって、多くの芸能人と組みました」

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