“腹心”薗浦健太郎代議士の辞職で、「麻生太郎」副総裁の求心力急降下 地元市長選でも「ご乱心」

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一任します

 そんな麻生氏が、地元・福岡県のある選挙でも、関係者が眉を顰める「判断」を下したと話題になっている。事情通が言う。

「問題になっているのは、来年2月に行われる北九州市長選挙です。自民党はこの選挙の候補者に、元国土交通官僚の新人・津森洋介氏(47)に推薦を出すことで話がまとまっていました。ところが、この決定に、他ならぬ麻生氏が難色を示したのです」

 自民党が推薦を決定するためには、総裁、副総裁など、党役員34名全員の署名が必要なのだが、

「麻生氏は、最後まで署名を拒否。これでは推薦にならないと周囲が困っていたところ、麻生氏が“森山裕選対委員長に一任します”と言い放った。この言葉を持って、どうにか推薦に踏み切ったのです」

 この異常事態に、地元は大混乱。“麻生さんご乱心か”との声まで上がった。果たしてなぜ、麻生氏は署名を拒んだのか。

「実はこの判断には、2019年に行われた福岡県知事選が大きく関わっています」

 とは、地元関係者。

「このときの選挙は“保守分裂”となり、現職知事・小川洋氏(故人)と、麻生氏が推す自民党推薦の新人候補・武内和久氏の戦いとなったのですが、小川氏が防衛を果たし、武内氏は惨敗を喫したのです。その武内氏が、今回の北九州市長選への出馬を表明。そして、県知事選の縁で繋がっていた自民党系の地元議員数名が、津森氏ではなく、武内氏を支援することに。結果、再び“保守分裂”となっているのです」

どちらも応援しない

 党が推薦する候補ではなく、対立候補を支援するとなれば、明確な党則違反。副総裁である麻生氏は、本来であれば「造反許すまじ」と青筋立てる立場のはず。が、

「武内氏は、かつて応援していた人物ということもあって、麻生氏としても彼をなんとかしてやりたい、という思いがあった。とはいえ、党の判断には逆らえない。そこで“どちらも応援しない”というスタンスを取り、それが署名拒否という、異例の行動に繋がったのです」

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