石破茂氏「岸田総理が何をしたいのかいまだに分からない」 内閣改造、解散総選挙にも否定的
臨時国会もようやく閉幕。今年の岸田政権の総括を聞こうと、自民党の“一言居士”こと石破茂元幹事長(65)を訪ねると、いつもの腕組み姿で待っていた。
「参院選の頃、内閣支持率は60%くらいありましたよね。ところが、安倍晋三元総理への銃撃事件でガラッと雰囲気が変わった。国葬や旧統一教会の問題、3閣僚の更迭という一つ一つが積み重なって、癒やし系の岸田さんに対する国民のふんわりした期待が急速に薄れてしまった。支持率が高かったのも、政策の中身より雰囲気的なものだったので、下がるのも速かった」
露呈した“チーム岸田”の機能不全も「総理が実現させたい政策がはっきりしないせい」と手厳しい。
「岸田さんの周りには“総理を命に代えても支える”って人が少ないのかもしれない。ただそれも、何のために支えるかが問題で、突き詰めると岸田さんは“何がやりたいの?”ってことになる。提唱する“新しい資本主義”とは何なのか。核なき世界とアメリカの核の傘による拡大抑止をどう両立させようというのか。私はいまだによくわからない」
「“一生痛み止めを打つ”みたいな話」
岸田総理は今後5年で防衛費を倍増させる方針を打ち出した。が、石破氏はここでも総理の信念は見えないと指摘する。
「岸田さんは外務大臣も政調会長も長いが、その間に“防衛費を倍増させる”なんて発言は聞いたことがない。それに防衛費で大事なのは中身でしょう。なのに岸田さんは“規模ありき”。いったい、なぜなんだ」
話題の防衛費の財源を巡っては、氏の矛先は自民党に向かった。
「自民党は増税反対の大合唱。いつの間にこんな党になったんですか。膨大な経費を伴う政策で財源をセットにすることは、責任ある自民党の伝統だったでしょうに。人口は減る、経済は伸びないって時に、どうして国債って話になるのか」
財源を増税に求める総理に一定の理解を示すものの、歳出総額約29兆円という補正予算には苦言を呈する。
「大規模だけど、総理のやりたいことはわからない。単なる補助金のバラマキで、カンフル剤的な効果はあっても日本経済は構造的に変わらない。一生痛み止めを打つ、みたいな話ですよ」
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