「どっちが埼玉一のヤンキーか」 15歳少女が暴力団まで動員した背景に「ヤクザの幼稚化」が

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 まもなく令和4年も終わろうとする年の瀬に、どっこい昭和の香り漂う事件が起きた。どちらが「埼玉一のヤンキー」か。ちっちゃなプライドを懸けた中学生同士のバトルに、暴力団までが動員されたという。

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 埼玉県警は12月8日までに、傷害や監禁などの容疑で、指定暴力団住吉会系傘下組織の組員・小口直斗容疑者(25)ら20代の男3人と、10代の男女7人を逮捕したと発表した。

 肋骨や鼻骨骨折の重傷を負った被害者は、川口市に住む中学2年生の少年(14)。彼は同じ市内に住む中学3年の少女(15)に、SNSのダイレクトメッセージで「かわいいね」「オレは埼玉一有名なヤンキーだ」と送ったが、彼女から「私の方が有名なヤンキーだ」と猛反論される。結果、10月1日夜に「埼玉一」を決めるべく、JR蕨駅の界隈で“対決”することになったそうである。

暴走族メンバー20名で…

 社会部記者によれば、

「双方が金属バットなどを持ったヤンキー仲間を引き連れてにらみ合い、結局その場は解散したんですが、少女の方が知人の小口容疑者に相談。日を跨いだ2日の午前2時頃、彼は被害少年の住むアパートに、ケツもちをしていた暴走族メンバー20人ほどを呼び、車6台で取り囲む暴挙に出たわけです」

 小口容疑者らは「話すことがあるから乗れ」と少年を車で拉致。およそ3時間にわたり連れ回し、「殺す」「指をつめろ」などと脅して暴行、さいたま市内を流れる荒川の河川敷近くで解放した。川口署に被害少年が「SNSでトラブルになった」と訴え、警察が捜査に乗り出したのだ。

「ヤクザも幼稚に…」

 小口容疑者の自宅近所の住民に聞くと、

「家には特攻服の輩や髪を染めた中学生くらいの女の子が出入りしていたよ。警察沙汰も多く、盗難車のバイクを家の前に放置して捕まったりしていた。仲間が神奈川県警に追われ、関係先として捜査員が張り込んでいたこともあったね」

 暴力団取材の第一人者であるノンフィクション作家の溝口敦氏はこう嘆く。

「SNSのトラブルだから若い暴力団員が絡んだのかもしれませんが、子供のケンカですよね。大人の暴力団員なら相手にしませんから、ヤクザも幼稚になりましたね。暴力団の構成員数は減少の一途で若手は歓迎されますが、暴力団対策法の絡みで銀行口座も作れないので、組から“半グレのままでいろ”と指導され、プロが育たない傾向にあります」

週刊新潮 2022年12月22日号掲載

ワイド特集「夢の続き」より

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