「タモリ倶楽部」はついに40年…なぜタモリの番組はどれも長続きするのか
「タモリステーション」、沈黙の理由は?
今年1月から、やはりテレ朝でタモリがMCを務める不定期放送の報道番組「タモリステーション」が始まった。第2回(3月18日)で「~欧州とロシアの挟間でウクライナ戦争の真実~」をやったところ、タモリがほとんど語らず、それが話題になった。「戦争の痛ましさに胸を痛めていたからではないか」などと言われた。
その真意についてタモリは公式には何も説明していない。だが、「タモリ倶楽部」や「Mステ」のスタンスと同じく、自分の好きなこと、分かることのみ話すつもりだったからではないか。
2008年に始まった「ブラタモリ」(NHK)でもタモリは専門家の話には静かに耳を傾ける。自分の知識をひけらかしたりしない。「ウクライナ戦争の真実」にも防衛省防衛研究所主任研究官・兵頭慎治氏(54)ら軍事の専門家が出ていた。タモリが聞き役に徹したのはいつも通りのことだったのだろう。
タモリの番組が長寿化する根本的理由がある。皇氏らによると、タモリは「辞めたい」と言わない人なのだ。
2014年まで32年も続いた「笑っていいとも!」は生放送だったから、タモリの日常生活をかなり制限した。にもかかわらず、降板したいと言ったことは一度もない。「Mステ」も「タモリ倶楽部」も降りたいと言ったことがない。やり始めた仕事は途中で投げ出さないのだ。
かといって仕事への執着があるわけでもない。「夕刊タモリ!」の終了もあっさり受け入れた。「いいとも」が終了した際も驚くほど淡々としていた。レギュラー出演陣がわんわん泣き、視聴者は強いロス感を訴えたが、タモリ本人は涼しい顔。番組終了時に恨み節を口にする芸能人もいる中、特異な存在だ。
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