娘を迎えに行って目撃した妻の裏切り…44歳夫が始めた“禁断の復讐”で今も悩み続けるワケ
目撃してしまった衝撃の光景
いまから4年ほど前のことだ。ふたりとも残業でどうにもならなかったため、いちばん仲良くしている近所の梶原さんという家に娘を預かってもらった。娘も11歳になっていたが、ひとりで留守番させたくなかった。梶原一家とは行ったり来たりする仲だったので、それまでもよく預かってもらっていた。
「その日は怜子と連絡が行き違ってしまって。僕は夜9時頃、娘を迎えに梶原家に急いで向かっていました。すると僕の目の前でタクシーが止まったんです。後部座席のシルエットが怜子のようだったので、あれ、妻が迎えに来たのかと思ったとき、横に誰かがいてふたりが抱き合いながらキスするのが見えた。わけがわからず、電柱の陰に身を潜めると、車から降りてきたのは梶原氏だけ。『いったん帰る』という怜子の声が聞こえ、『30分後な』という梶原氏の声が聞こえました。そこから梶原家までは歩いて5分ほど。ふたりはそういう関係だったのか……。想像もしなかったことだけに受け入れがたかった。でも目の前で繰り広げられた事実が、すべてを物語っていたんです」
康晴さんはそのまま梶原家へ行き、娘を連れ帰った。帰ると妻が「え、今、迎えに行こうと思っていたのよ」とあわてていたという。
「自分が今、見たことが信じられなかった。でも事実なんです。どうしたらいいかわからなかった」
家族ぐるみでつきあっていると思っていたが、怜子と梶原氏がそんな関係になっていたとは……。灯台もと暗しとはこのことだと康晴さんは自嘲するしかなかった。
「だけど女ってわからないものですね……。いや、怜子個人の特性かもしれないけど。娘への暴力をがんばって克服したら、今度は浮気。それなのに会社では人格者で通っていたし、実際、上から頼られ下からは慕われていたんです。僕はどちらかというと『しっかり者で仕事ができる妻をもった、うっかり者の男』という扱いでした。表と裏でこんなに違う怜子という人間が一気に信じられなくなりました」
とにかく真実を知りたい。その一心で彼は興信所に妻の素行調査を頼んだ。1週間もたたずにたくさんの「証拠」が見つかったと連絡があった。ホテルへの出入り、路上でのキス、梶原家前での抱擁、そして深夜、路上に止めた梶原氏の車の中でふたりが行為に及んでいるところまでカメラはきちんととらえていた。どうやら不倫はその時点で1年を越えていたようだった。
「それらの写真を見ながら、僕は泣けてたまらなかった。どうしてこんなことになったのか……。誰かに理解してほしかった、一緒に怒ったり泣いたりしてほしかった」
その思いですがってしまったのが梶原氏の妻だった。ある日、有休をとって妻の真琴さんを呼び出した。万が一、誰かに話を聞かれたら困ると思い、繁華街のシティホテルの部屋を予約した。真琴さんは警戒しながらやってきた。
「部屋に入ってくるなり、『康晴さん、どういうことなの?』と。折り入って話があるとしか言っていませんでしたから。僕はこれを見てと写真をテーブルに並べました。彼女はヒッとひきつけたような悲鳴を上げ、あとは呆然と写真を見ているだけ。『あのふたりが?』と頭を抱えました。どうしましょうねと言いましたが、返事はありませんでした。今後のことをまた次回、相談しようとその日はそのまま別れました」
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