娘を迎えに行って目撃した妻の裏切り…44歳夫が始めた“禁断の復讐”で今も悩み続けるワケ
内ももに痣
結婚して半年後には怜子さんの妊娠がわかった。彼女はもちろん、職場も彼女の退職は望んでいないし、彼も怜子さんがいちばん暮らしやすいように環境を整えるつもりだった。
「産まれた女の子を見て、夫婦で泣きました。小さくて、でもがんばって生きていて。自分の家族を思い起こして、母も僕が産まれたときこんな感動に包まれていたんだろうか、父はどうだったんだろうかと……」
ただ、現実は厳しかった。彼女は産後3ヶ月で請われて職場復帰、代わりに康晴さんが2ヶ月育休をとった。職場は臨機応変に対処してくれたが、ふたりとも時間に追われる生活が続いた。怜子さんの実母が手伝いに来るという話もあったが、彼女は頑なに拒絶した。
「そのころ初めて知ったんですが、怜子と母親はあまりいい関係ではなかったようです。彼女は詳しい話はしなかったけど。さらりと『私と母親、性格的に合わないの』と言っただけなので、そういうこともあるよねと流してしまった」
忙しかったが、娘が長じるにつれ、ふたりで時間を合わせて家族3人、あちこちに遊びに行った。娘には楽しい思いをさせたかった。ところが娘が5歳になったころ、康晴さんが久しぶりに娘をお風呂に入れていると内ももに痣を見つけた。つねったような痣だ。
「どうしたのと聞くと娘は何も言わない。転んだ? ぶつけた? 娘は下を向いているだけ。どうしたって内ももに痣がつくのはヘンですよね。病気の前兆かと不安になりましたが、まさかと思いながら、わざと明るく『ママに怒られたか』とつぶやくと娘が頷いた。怖かった。あの明るい怜子がそんなことをするなんて。だけどことは娘の心身に関わる大問題。娘が寝たころ帰宅した妻に、コーヒーをいれながら『娘の内ももに痣が』と話を切り出しました。すると妻は『だって言うこと聞かないんだもの』とさらりと言う。暴力はダメだろと言ったら、『しつけよ。私だって母親に腕を折られたことがある』と。はあ? と耳を疑いました」
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