中国は最悪のタイミングでゼロコロナ解除 国際社会にとって今後深刻な問題が
中国政府は12月14日、無症状感染者数の発表を取りやめ、事実上、ゼロコロナ政策を完全に撤回した。
これに先立ち、中国政府は12月7日、10項目からなるコロナ対策の新しいガイドラインを発表し、大幅緩和に舵を切っていた。
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ゼロコロナ政策は10月の共産党大会でも承認され、習近平指導部の看板政策だったが、12月に入り、突如として大転換となったのは、11月下旬に全国で勃発したゼロコロナ政策への抗議運動が大きく関係していたことは間違いない。
中国では若年層・都市部を中心に建国以来の雇用危機が発生しており、「ゼロコロナ政策がこの状況をさらに悪化させる」との不満が爆発した形だ。
12月15日、習近平指導部は経済を活性化するため、中央経済工作会議を実施した。
成長を下支えするための追加の刺激策などが打ち出されたが、経済が再び好調な状態に戻るのは困難だと言わざるを得ない。
国民の間で新型コロナに対する警戒感は根強く、個人消費の迅速な回復は望み薄だ。
成長の源泉だった不動産市場の極度の不振や急速に進む少子高齢化という構造的な問題も存在する。
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