81年ぶりに祖国に帰ってきた「日の丸」 米海兵隊員の子と孫が自費で来日、遺族に手渡す

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遺族は「伯父も喜んでいるはず」

 彼らは広島に住む遺族を探し出すことに成功。12月4日、広島護國神社にて返還式が行われたのである。旗の持主は、南洋の激戦地ペリリュー島で戦死した明鎮憲登(みょうちんのりと)さん。遺族を代表して、妹の広田系子さん(84)と甥の明鎮俊成さん(56)が旗を受け取った。

「感無量です。これが日米の友好と平和の礎になってほしい。伯父も喜んでいるはず」(俊成さん)

 クリスさんと父のリチャードさん(79)は返還のため自費で来日。二人ともクリスチャンだが、神社での返還式に備えて前日から神道の正式な参拝作法を練習した。

「キリスト教では、すべての人は神の創造物。だから私たちの考えでは、米国人も日本人もみんな兄弟なのです」(リチャードさん)

 OBONソサエティはこれまでに400枚超を返還。なおも約2400枚の日の丸が、帰郷の日を待っているという。

撮影・西村 純

週刊新潮 2022年12月15日号掲載

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