元キャリア官僚と慶應卒のお笑いコンビ・イエスマン なぜ40代で総務省を辞めて芸人に?

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官僚芸人がいないと気付き…

 そんな彼が芸人を目指した理由とは。

「もはや官僚を辞めることに迷いはなく、当時が40歳を迎えるタイミングだったことも理由の一つ。社会人は課長クラスになるまでは日常をソツなくこなすことが大切ですが、その先は周囲より秀でた強みがないと生き残りは厳しいですから」

 果たして自分はこの先何ができるのか、何をしたいのかとセカンドキャリアを思案する日が続いたという。

「そんな時に見た、厚切りジェイソンさんが印象的で。お笑いとビジネスを両立させている姿に、お笑い界に“官僚芸人”がいないと気付かされた。それなら元官僚という肩書きを最大限に活用して、芸人としてビジネスや政治の話を面白く、分かりやすく伝えたいと思い立った。芸人といってもクイズが得意な人もいれば、家事や家電に詳しい人もいますからね」

相方も高学歴

 突飛にも思える構想に付き合うのは、慶應大学経済学部を卒業し、現在は大手金融機関に勤務するコメだ。

「休日などに体の可動域を広げようとストレッチに通ったりしているうち、そのお金を自己投資の一環というか、モノより経験に使おうと考えたんです。何か仕事にも生きるようなことに費やしたいと。もともとお笑いは好きで、勤め人をしながら養成所って通えるものかと調べていると、松竹芸能の養成所が土日に通えることが分かった。すぐに“行ってみよう”と思い立ちましたよ」(コメ)

 狙いはバッチリだった。

「取引先との会話の際に、“お笑いをやってるんです”と言うと、すぐに打ち解けられたり。養成所では発声練習もあって、いかに自分が会社でハリのない声でしゃべっているかという点に気付かされたことも」(同)

 当面の目標は「M-1グランプリで3回戦に進出すること」と口をそろえる。二人の挑戦は始まったばかり――。

週刊新潮 2022年12月15日号掲載

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