90年代ヒット曲ばかりの「ブックオフ」年間CDランキングに異変! 「ZARD」「スピッツ」を抑えて1位に輝いた「新進アーティスト」

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1位に起きた“異変”

 ちなみに、この特異なランキングの3位は竹内まりや、2位は宇多田ヒカルの作品で、ここまでの流れを考えれば納得の並びなのだが、実は、1位に“異変”が起きていた。

 栄えあるトップに輝いたのは、昨年に続いて紅白に出場する藤井風のファーストアルバム「HELP EVER HURT NEVER」だったのだ。先ほど紹介した宇多田ヒカルやスピッツ、小田和正、サザンのベストアルバムは、昨年のブックオフのランキングにも顔を出していた。そう考えると、まだ25歳の藤井風がランクインしたことは“大事件”と言える。

 先のレコード会社関係者はこう語る。

「藤井風のファーストは2020年発売ですから、ブックオフのランキングのなかでは圧倒的に新しい作品です。お小遣いでサブスクを契約できない学生世代が購入したケースもあるかと思いますが、それよりも、藤井が中高年CDリスナーの心を掴んだということではないでしょうか。彼の楽曲はR&Bやソウルミュージックだけでなく、現在、世界的な流行を見せている70~80年代のシティポップの雰囲気を漂わせている。彼はデビュー前からYouTubeでピアノ弾き語り動画を配信していてカバー曲も多いのですが、そこでは竹内まりやの楽曲にはじまり、松原みきの『真夜中のドア/Stay With Me』や、泰葉の『フライディ・チャイナタウン』といったシティポップの名曲も演奏しています。昨年の紅白で藤井を知った中高年層が、そうした動画を観てCDを買ったのでは」

 2年連続で紅白出場を決めた新進気鋭のミュージシャンは、この知られざるランキングでも旋風を巻き起こしていたのだ。

デイリー新潮編集部

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