「防衛増税」論議の先に「国民民主」連立入りはあるか 玉木代表はそわそわ
地元で言い訳できる
もっとも、これはかなり好意的な見方であって、国民の目には単なるドタバタ、あるいは内輪もめにしか映っていないというのが現状だろう。この件に異論を唱えておけば、選挙区に戻った際に、言い訳が出来る、その言い訳がテレビに映っていればなおさら結構、といった計算をする者がいてもおかしくはない。
自民党と政権のドタバタのように見えても、実際は各々のポジショントークなのだとしたら、最も割りを食うのは野党の側だろう。
「今回の防衛増税については、国の将来をテーマとしているにもかかわらず国会も閉じていますから、本格的な論戦とはなり得ない。各党首は苦虫を噛み潰している状況ではないでしょうか」(同)
そんな中、現状をそわそわしながら見ているのが、国民民主党の玉木雄一郎代表なのだという。もっぱらの関心事は内閣改造だと見られている。
「岸田首相はかねて、内閣改造やさらにウイングを広げるべく連立に国民民主を取り込むことを想定してきました」(同)
麻生副総裁とも考えは一致
「内閣改造については、大臣が首相を除いて19人いるうち3人が辞任し、もう1人も恐らく来年の国会前にはいなくなっていると思われます。つまり、すでにプチ改造を済ませたようなもので、ここからさらに改造したとしてもインパクトがあるのかという指摘があります」(同)
他方、「自公国」連立については、
「これは一朝一夕というわけではなく、長い時間をかけて信頼関係を醸成してきた案件ですね。とはいえ、国民民主の支持基盤である連合は一筋縄では行きませんし、国民民主内も連立自体に否定的だったりと、そう簡単には進まない印象です。首相と首相の相談相手となっている麻生太郎自民党副総裁は共に、“改造や連立を拡大して支持率アップするならやりたいが、本当にそうなるのか相当に疑問”とのスタンスです」(同)
その中でひとつ確かなのは、「玉木代表だけが自公連立に入りたがっているとのことです」(同)なのだという。
当然、自身は入閣することになり、希望は経産相だという話が出回っている。自公国連立などという事態になれば、国民民主党の知名度は増すのだろうが、肝心の政権浮揚につながるか否かは別の話だろう。
[2/2ページ]