「防衛増税」論議の先に「国民民主」連立入りはあるか 玉木代表はそわそわ

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蚊帳の外にされる野党

 旧統一教会を巡る被害者救済法案の成立に何とかこぎつけたものの、防衛増税をめぐって自民党内のみならず官邸内からも異論が噴出している。落としどころをはかる作業が続いているが、その一方で野党は蚊帳の外にされたまま。見せ場のない面々の中で1人そわそわしているのが、国民民主党の玉木雄一郎代表なのだという。

「岸田首相が“責任ある政治”を標榜し、リーダーシップ発揮しようと防衛増税に踏み込み、それに対して閣内や党内から異論が出てきています。表立って不満を口にし続ける高市経済安保相は罷免の覚悟まで表明しており、様々な人が自由な立場でそれぞれの持論を述べているといった状況です」

 と、政治部デスク。

「首相は根回し嫌いなのか、焦りが先立っているのか、あるいはその両方なのか。大方の予想を裏切って今年8月に内閣改造に踏み切ったのもサプライズでしたね。支持率が下がって求心力を高めなければという思いがあるにせよ、公約していないことを国民に負担をお願いするにあたっては、もう少し根回しをしてからでも良かったのではないかと思いますが」(同)

自民党のウイングの広さ

「ただ、さらに冷静に見てみると、異論を述べる人たちの論調は統一されておらず、一枚岩では全くない。自身のポジションや影響力を大きく見せるべく、メディアの前でしゃべっているとの指摘もありますね。実際にそうだと思います」(同)

 さらに引いて見れば、それぞれが国の将来を思い、身を賭して真剣な議論を展開していると見えなくもないということなのか……。

「自民党のウイングの広さ、懐の深さを思わせるやり取りなのかもしれないですね。安倍政権時代はこのような事態は起こり得なかったわけですが、ある意味で健全な議論だと見なすこともできると思います」(同)

 たしかに、安倍政権の頃は、政権に対して少しでも批判的なことを言えば「後ろから銃を撃つのか!」と党内から猛反発を招いていた。しかし今回、ベテランも含め多くの自民党議員が自由に岸田首相の方針を批判している。それに対して「裏切り者め!」といった声はほとんど聞こえてこない。さすがは「聞く力」を売りにしているだけあって、自由な議論を許す度量がある首相らしい、と言えなくもない。

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