「自分より運転がうまい…」 日産の最新技術「プロパイロット2.0」を記者が体験! まるで“近未来の車”ARIYAは何がすごい?
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今年3月に購入第1号車が納車され、すでに国内外から高い評価を受けている日産自動車のクロスオーバーEV「ARIYA(アリア)」。ウリはなんといっても最高レベルの運転支援技術「プロパイロット2.0」だが、今回、運転支援技術経験ゼロのデイリー新潮記者が試乗! さらに、試乗で気になったポイントを、“生みの親”であるCVE(チーフ・ビークル・エンジニア)の中嶋光さんが解説してくれた。
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「あれ、音がしない?」
今回ARIYAを試乗したのは、運転支援技術もEVも経験したことのない30代記者。横浜を出発し、アクアラインを通って房総半島を目指すというのが今日のドライブコースだ。
車に乗り込み、いざ出発。運転し始めてすぐ、“ある異変”に気が付いた。
「あれ、音がしない?」
走行音も車外の騒音も、まるでノイズキャンセリングのようにカットされており、広い車内空間と併せてリラックス感があるのだ。試しにラジオで音楽を聴いてみると、小さな音量でも細部までくっきりと聴き取ることができる。ドライブ中に音楽を聴くのが好きな記者にとって、これは堪らない。
「丁寧に運転する人」の車に乗った気分
ラジオを楽しんでいるうちに、高速道路の入口へ。いよいよ人生で初めて運転支援技術を試す、ということでハンドルを握る手にうっすら汗がにじむ。
しばらく運転しながら心の準備をして、いざ挑戦することに。操作は簡単で、ステアリング上のスイッチを押すと走行中の道路状況などを判断し、条件が整えば、すぐに「プロパイロット2.0」モードに移行してくれるのだ。ディスプレーの色が緑から青に変わり、モードがハンズオフOKになったことを確認してから、恐る恐る手を放してみると…。
おー、すごい! 速度を一定に保ちながら、上手に運転してくれている! 最初の数秒こそ恐怖感があったが、「丁寧に運転する人」の車に乗ったような気分で、すぐに慣れてしまった。カーブにさしかかっても、スーっとキレイにコース取りをしてくれて、「自分よりうまいのでは?」と思うほど。
意外にうれしいのは、アクセル、ブレーキの操作の必要がないこと。普段運転しているときは、無意識で力加減などを調整していたのだな、ということに改めて気付く。ARIYAは他の車と比べても特に足元の空間が広いため、新幹線のグリーン車に乗ったような気分でくつろぐことができた。
遠隔操作で駐車できる機能も
そうこうするうちに、アクアラインを抜けて千葉県・房総半島に。高速道路を降りて、ヤシの木が道路の両サイドに立ち並ぶ「房総フラワーライン」を走り抜けながら、目的地だった漁港食堂へ。駐車場が混み合っていたため、「リモートパーキング」という機能を使ってみる。
リモートパーキングとは、車外から専用リモコンキーを使って遠隔操作をすることで、ドライバーが乗っていなくても車を前後に移動させることができる機能だ。自分のように駐車に慣れていない人間にとっては、これが意外とありがたいのだ。
海鮮丼に舌鼓を打ち、EVバッテリーの充電スタンドがある道の駅へ。80%ほどバッテリーが残っていたため必要はないのだが、休憩がてら試しに30分充電してみるとほぼフル充電にすることができた。
帰り道の高速道路も、もちろん「プロパイロット2.0」を使用。楽しいドライブでも帰り道の運転にはぐったりしてしまう日もある。そんなときこそ、この「プロパイロット2.0」は輝くような気がする。
出発地点・横浜に到着。バッテリーは75%ほど残っている。途中で1度充電したが、この感じであれば、遠出のドライブであっても1度も充電しなくてもよさそうだ。
“生みの親”中嶋光さんにインタビュー
試乗を終えたところで、ARIYAの“生みの親”ともいえる、CVE(チーフ・ビークル・エンジニア)中嶋光さんに、ARIYAに込めた想いや、こだわりポイントを聞いてみた。
――ARIYAに乗ってみて、運転支援技術の素晴らしさや、高級感がありながらも安らげる空間など、驚きっぱなしでした! まず初めに、ARIYAの開発にあたり、どのような車を目標としたのでしょうか?
中嶋(以下同):日産が世界に先駆けてLEAFを開発した時、「まずはEVを作る」ということが目的でした。そして、LEAFを世界中で乗っていただけるようになり、ひとまず「EVとはどんなものか」を知ってもらう段階はクリアしたと思うんですね。
今回のARIYAはそこからさらに一歩進んで、日産EVのフラッグシップモデルとして、「EVといえばARIYA」と言われるような車を作ることを目指しました。日産の持てる技術を全て結集した「未来を感じさせる車」をぜひ多くの方に体験してもらいたいですね。
「人間より運転がうまい」という声も
――「未来を感じさせる車」という意味で言うと、運転支援技術「プロパイロット2.0」には驚かされっぱなしでした。
今回採用した「プロパイロット2.0」は運転支援技術の中でもトップにいると自負しています。車線の真ん中をスパッと走ってくれるのが持ち味で、「人間より運転がうまい」という声もあるほどです(笑)。
人間は運転するとき、認知、判断、操作という三つの作業を絶えず行っています。プロパイロット2.0に置き換えると、「認知」はARIYAに搭載された五つのカメラおよび五つのレーダーにより周辺状況の把握や周りの車との距離を測定すること、「判断」は「認知」で得た情報を基にコンピューターがコース取りや減速などの判断を行うこと、「操作」は、「判断」したことを忠実に車の動きとして再現することですね。
意外に思われるかもしれませんが、この「操作」の技術が非常に大切なんです。例えば、カーブするとき、いくら認知、判断がうまくいっていたとしても、「スムーズに曲がる」という基本的な動作ができなければ、カーブ中に何度もハンドルの微調整が行われ、ぎこちない運転になってしまいます。想像していただきたいのですが、運転支援技術を使っているときに車が何度もカクカクとハンドルを微調整していると安心感は下がってしまいますよね。
つまり、運転支援技術と聞くと、「頭脳」の優秀さを競うハイテクな分野だと思われがちなのですが、実際には「体」の方も同じかそれ以上に大切なんです。そこで日産がこれまでの歴史で培ってきた「車づくり」のノウハウが非常に生きてきます。
高齢者、車通勤の方にオススメ
――ドライブの帰り道、疲れたタイミングで「プロパイロット2.0」を使えるのは非常にありがたかったです。運転支援技術を体験したことのない方も多いと思いますが、「こんな人にオススメ」というのはありますか?
ハンズオフが可能な高速道路や自動車専用道路のさまざまなシーンで活躍してくれると思いますが、個人的には、特に高齢者と車通勤の方にオススメですね。
ご高齢で運転に自信がない方に、より安全にカーライフを楽しんでもらえるとうれしいです。また私自身、高速道路を使ってARIYAで出張することがあるのですが、これが本当に楽なんですよ。車に体を委ねながら、その日のスケジュールやタスクを頭のなかで管理したり、仕事終わりの疲れた体を休めたりすることができるんです。もし毎日の通勤で高速道路を使う方がいれば、通勤は毎日のことですから、1日のうち1~2時間ゆったり過ごせることは、積み重ねると非常に大きいメリットになると思います。
特に渋滞で運転支援のありがたみを実感していただけると思います。細かくアクセル、ブレーキを踏むことから解放されるので、運転のストレスや疲労が大きく軽減されるのではないでしょうか。
EVだからこそ可能になった快適な車内
――ラグジュアリー感のある外観や、リラックスできる内装も魅力的でした。特に足元の空間が他の車と比べても、非常にゆったりとしていますよね。窮屈な感じが全くなかったです。
ラウンジのような空間で「おもてなし」を感じてほしい、というのがデザインのコンセプトです。
まずエクステリアは、フラッグシップモデルに見合った存在感のある装いになっています。ギラギラしすぎるのではなく、落ち着きを感じられることも意識しました。例えば、フロントグリルをよく見てみると、実は格子模様を使っているんですよ。細部に宿るクラフトマンシップを感じていただきたいですね。
インテリアは仰る通り、運転席、助手席の足元のスペースをかなり大きめに取っています。実はこれ、新型EVプラットフォームだからこそ可能になったことなんですよ。従来のパッケージングでは、設計の問題で、どう工夫しても足元の広さには限界があります。「EV専用プラットフォームだからこそできること」を意識した結果、足をゆっくり伸ばしてくつろげる空間が実現できました。
そのほかに注目してもらいたいのは、足元の照明に組子調のデザインを採用しており、その中からあんどんのように光が漏れてくる、という「和」の雰囲気です。エクステリアと同様、高級感がありながら、奥ゆかしさも感じられると思います。
クリアに音楽が聞こえる驚異の遮音性
――インテリアのデザインに加えて、車内が非常に静かなことも、落ち着ける空間づくりに一役買っていると思いました。ラジオや音楽が細部までクリアに聴けることにも驚きました。
ARIYAに乗られた方はみなさん「びっくりするほど静か」と言ってくれますね。静かな車内づくりにはこだわりぬきました。走行音、外部の騒音などを徹底的にカットしているので、音楽を楽しみたい方にはぴったりかもしれませんね。
私自身、普段はクラシック音楽を聴かないのに、ARIYAに乗り始めてからは「繊細な音楽でもクリアに聴こえる」というのがうれしくて、ついついクラシックを選んでしまいます(笑)。
車のキャビンには実はたくさん隙間が開いていて、そこから音が入ってきてしまうのですが、今回、この隙間から音を通さないように徹底的に隙間塞ぎを施しました。
また、車は走っているとボディーが振動して走行音が鳴ってしまうのですが、ボディーの剛性を上げ、ボディーの要所に制振材、吸音材を付けることで、走行音を大幅にカットしています。ガラスも遮音性の高いものを使用し、タイヤの中にまで吸音材を入れているんですよ。
街乗りでも400km走行可能
――今回、横浜-房総半島を往復しましたが、バッテリーの心配は全くありませんでした。ただ、EV未経験の方にとっては、「どれぐらいの距離を走れるの?」「充電に時間がかかるのでは」という疑問もあると思います。
ARIYAの航続距離はWLTCモード燃費で470km、街乗りでも400km走ることができます。400kmというのは、東京-名古屋間より少し走れる、というイメージですね。
充電については設備によって変わるのですが、よくある50キロワットの充電機ですと、30分くらいの充電で25キロワット入りますが、これはバッテリー全体の4割くらい。長距離を運転するときには、休憩がてら充電していただくといいのではないでしょうか。
また、これまでのEVには、真夏の暑い時や冷え込みの厳しい冬には充電性能が落ちるという問題があったのですが、ARIYAは水冷でバッテリーを冷やしたり、温めたりする温度調整システムを搭載しているので、常にベストなパフォーマンスを発揮できるようになっています。
「EVなんて…」という人の心配事を一つずつ減らしていきたいという思いで開発しましたので、ぜひ未体験の方にも試していただきたいですね。
スマホとの連携と、最高クラスの音声認識
――先ほど「日産の持てる技術を全て結集した」というお話がありましたが、スマホとの連携や音声認識なども、日々の生活で役に立ちそうだなと思いました。
スマホと連携させることで、車に乗り込む前にエアコンをかけることができたり、カレンダー機能と同期させて、予定に応じて自動でナビ入力をしてくれたり、スマホから車の充電状況を確認したり、ということが可能になりました。
音声認識の質も向上しており、「ハローニッサン」と話しかけることで、ナビ入力やエアコンの調整などさまざまなことが可能になっています。音声認識自体は採用する車が増えていますが、あくまで大事なのはクオリティー。ARIYAは口語の砕けた話し方にも対応していますし、即座の応答が難しい場合、クラウドからデータを取得することで臨機応変にレスポンスしてくれます。
――ARIYAの発売からしばらく経ちますが、反響はどうでしょうか?
エクステリア、インテリアの先進性や、細部まで作り込んだクラフトマンシップを評価していただいています。また、プロパイロットも従来のものよりも格段に進化したことで、驚きの声も多いようですね。
ARIYAはいわば「近未来の車」です。EVでしか実現できない車内のゆとり、静かで滑らかな加速、運転支援技術「プロパイロット2.0」による新しい車ライフを楽しんでもらえれば。一回乗っていただけると「EVいいよね」となって、離れられなくなる人も多いと思います。現時点で日産が持てる技術のすべてをつぎ込みましたのでぜひ「車の未来」を感じてほしいですね。
日産自動車株式会社
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya.html