6代目山口組の高山若頭・竹内若頭補佐のドライバーも逮捕された「ETCパーソナルカード」事件のてん末
「ヤクザが高速を通れない」未来
これに対して被疑者側の弁護士は、「被疑者のうちの数名はカード発行元に逮捕されることがないか確認しており、これで、カード発行元が詐欺の被害届を警察当局に提出しているとしたならば、実際は、現在勾留されている被疑者たちが詐欺の被害者である」と竹垣氏に話していたという。
その際の録音が効力を発揮したのか起訴は免れたが、カードは使えなくなってしまった。
「今後カードの発行元は、暴力団員の加入を認めない旨を規約に明記し、申請の際にも反社チェックをすることになるようです。暴力団排除のためには何事も徹底して実行することが肝要だという考え方に基づけば、そうなるのでしょう。ただ、その一方で、高速道路のETC専用化があと10年もしたら全国で整うようですから、その頃には”ヤクザは基本的に高速を通れない”ことになってしまいますね」(同)
ヤクザ側が何らかの異議申し立ての声をあげない限り、それ以外の国民は何も困らないので、「ヤクザが高速を通れない」未来が近々実現することになるだろう。
あえて身柄拘束に打って出た背景
「さらに、同じようにこのカードを取得した暴力団員が100名ほどおり、逮捕される可能性をはらんでいます」(同)
それにしても、経緯を見る限り、不起訴は必然だったようだ。にもかかわらず、捜査当局があえて暴力団員の身柄拘束に打って出た背景には何があるのか?
「当局の呼びかけを無視するように、6代目山口組が抗争をストップしないからでしょう。やり過ぎた工藤會を当局がスクラムを組んで追い詰めて行ったように、そこまで苛烈ではないものの、ある種の締め付けを展開しているということだと思います」(同)
逮捕者の中に、6代目山口組の高山清司若頭や竹内照明若頭補佐(3代目弘道会会長)のドライバーが含まれていることが「その何よりの証拠」と竹垣氏は指摘するのだった。
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