源田“生涯西武”で「ポスト坂本問題」再燃 原政権存続が『綱渡り』な巨人の内部事情

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京田FAは、原監督の契約最終年後

 問題は、坂本が今季のように故障で再三、リタイアするような事態に見舞われた時だ。

「森(友哉=西武からオリックスにFA移籍=)を獲得しなかったのか、できなかったのか、いずれにしても捕手は絶対的な存在がおらず、遊撃手に加え、(丸佳浩が右翼に転向し)増田(陸)らが定位置争いに挑む中堅手も不透明。センターラインがぐらついていれば覇権奪回は、おぼつかない」(NPB球団元監督)

 巨人が十八番としてきた他球団からの補強を見通してみても、源田という選択肢が消えたのに加え、中日からDeNAにトレード移籍した京田陽太内野手は今季、出場機会が減ったことが響き、FA権を取得するのは早くても24 年オフの見込み。つまり、原監督の任期後なのだ。

「立浪監督が今季、京田を使わなかったことで最短なら23年オフだった取得が遅れた。立浪監督も24年が3年契約最終年で、自身の任期中での京田のFA移籍を阻もうとしたのかは定かではないが、結果的には非現実的と言えるDeNAからのトレードでもない限り、巨人に京田が行くことはない」

 となると外国人選手だが、NPBで遊撃手はアンディ・シーツ(元広島など)、アデイニー・エチェバリア(元ロッテ)、アルシデス・エスコバー(元ヤクルト)らがプレーしたものの、長期に渡って活躍した例が少ない。巨人は自前での坂本の後継者育成が待ったなしの状況だ。

坂本復活のカギは川相、大久保両コーチ

 しかも、後継候補の広岡、中山礼都、北村拓己ら若手は横一線で、軸になる選手が見当たらない。吉川尚輝内野手は遊撃手の素養があっても、今季ようやく正二塁手に定着しただけに、首脳陣としては動かしたくないところだろう。やはり後継者が育つまで、坂本にはもう少しの間、主戦として踏ん張ってもらう必要がある。

 坂本再生のカギは、今オフの首脳陣の刷新で新コーチとなった2人か。まずは遊撃が本職の川相総合コーチで、ユニホームを着ていなかったファーム総監督からの1軍復帰を果たした。

「早速、秋季キャンプでは坂本に攻撃的な捕球を指南するなど、ブラッシュアップに余念がなかった。下半身の使い方が重要な守備を見直すことで、復活につなげた例は少なくない。打撃への好影響はあり得る」(前出の元NPB監督)

 もう1人は大久保博元1軍打撃チーフコーチである。

「(大久保コーチは)坂本のスイングスピードなど打撃における数値が近年、落ち込んでいることを把握すると、徹底的に振り込ませる方針を固めた。来春のキャンプは大久保コーチの代名詞のアーリーワークに参加し、若手とともに汗にまみれる姿も見られるのではないか。(醜聞直後で)さすがに今オフはおとなしくし、主将も返上したため、自分のことだけに集中して万全で開幕に合わせてくるだろう。いずれにしても坂本は、キャンプ、オープン戦の攻守の成果で公式戦の成績が占える」(番記者)

 巨人は今オフ、大型補強が鳴りをひそめ、最大の懸案になっている先発投手の補強が進まない中で、遊撃手にも不安を抱える。来季、3年連続のV逸で今季のような低迷を繰り返せば原監督の進退問題は必至。坂本がキーマンの一人という綱渡りの状態でのペナント争いを強いられることになりそうだ。

デイリー新潮編集部

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