源田“生涯西武”で「ポスト坂本問題」再燃 原政権存続が『綱渡り』な巨人の内部事情

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奇跡的な世代交代も今度ばかりは……

 日本球界を代表する遊撃手、西武の源田壮亮内野手(29)が11月26日に西武と推定総額15億円で5年契約を結んだ。西武が来オフに国内フリーエージェント(FA)になる前に囲い込んだ形で、事実上“生涯西武”が確定。これで西武の遊撃手は当面、安泰となった。

 一方、12月14日が34歳の誕生日の坂本勇人内野手の年齢的な衰えで、巨人はポスト坂本の育成が急務だ。源田がFAなら獲得に乗り出すとも囁かれていただけに、「来季は坂本中心に複数選手で賄う公算が大きいが、2024年もやりくりが求められるのではないか。このシーズンは原(辰徳)監督の3年契約の最終年。来季を乗り越え、24年に続投することになっても“ショート”は懸案として残るのではないか」と危惧する声が絶えない。

 巨人は長く、正遊撃手の人材に恵まれてきた歴史がある。直近では川相昌弘、二岡智宏、そして坂本と奇跡的にスムーズな世代交代に成功してきた。

「西武の渡辺(久信)GMが、源田の入団でチームの骨格ができたと認めるように、中島(宏之=現巨人)の米球界移籍後、長年の課題だった人材不足が解消された。遊撃手は、センターラインでは捕手に匹敵する重要なポジション。特に第2次以降の原政権では坂本が守備の要だったと言っても過言ではない」

 その坂本は今季途中、20代女性への妊娠・中絶問題が発覚した。坂本自身が二岡からレギュラー奪取した時も、二岡が女性スキャンダルで日本ハムにトレードされたことが契機だった。その意味で、チームにとって変革の転機にも見えるのだが……。

 しかし、今回ばかりは奇跡が起きそうにない。

 坂本は今季、08年のレギュラー定着後、最低となる83試合の出場に終わった。原監督は今季途中、坂本に対して一塁への転向を打診したものの、坂本が遊撃手に強くこだわったことで実現しなかった。

「原監督は、絶対的な主力だった坂本といえども衰えは必ず来るから、見極めが大事としている。坂本も今オフの秋季キャンプに一部ながら異例の参加を志願したように、来季は選手生活の分かれ目になると踏んでいる。仮にショートで復活し、100試合以上に出られるようなら、あとは広岡(大志)らで補っていけば、チームとしては来季も十分に戦える」(遊軍記者)

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