「池田大作先生が応援に来たという真偽不明の情報が出回り…」 長井秀和が振り返る公明党の選挙戦
「先生が応援に来た」という非公式の情報
国政における比例での得票数を大きく減らしたうえ、統一教会問題でさらに打撃を受けている公明党。弱体化の背景にはカリスマ・池田大作名誉会長の不在があるが、党勢回復を期す来年4月の統一地方選に向けて、ある計画が進んでいるという。
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まず、これまでの池田名誉会長の“威光”について振り返ろう。元学会員でお笑い芸人の長井秀和氏によると、1956年の参議院選挙で大阪選挙区から出馬した元プロ野球選手の白木義一郎の選挙戦が「伝説」として語り継がれているという。
「池田大作氏本人が選挙の陣頭指揮を執り、下馬評を覆して当選させたんです。この話は『人間革命』にも載っていて、法戦(選挙)の教科書的に扱われています。選挙が近づくと、地域の学会員で読書会を開いたりして、このエピソードをなぞるんです。“原点の戦いを思い出そう”と言って士気を高めていくんですね」
60年に3代目会長に就任してからも、
「選挙になれば激励の短歌を作って、現場を鼓舞していました」(学会元幹部)
その言葉に現場は活気づいた。
「大きな選挙の終盤になると、学会の会館では“先生からお言葉が入りました!”“おー!”と盛り上がるんです」(長井氏)
だが、池田氏は2010年を境に表舞台に登場することはなくなった。94歳の現在、池田氏の様子を、創価学会の広報室は、
「名誉会長は、執筆や会員激励に当たっており、健在です」
と説明するが、長井氏は、
「池田氏が一線を退いてからも選挙がある度に“先生が〇〇選挙区に応援に来た”という情報が非公式に出回るんです。学会員の中にはウソではないかと訝(いぶか)っている人もいると思いますが、戦意を高揚させようとしているのでしょう」
池田会長の新著が発売
また、来年は公明党が国政選挙並みに重視する統一地方選が控える。その選挙に向け、ついに名誉会長の影が見え隠れし始めたという。
「来年1月、池田氏の読書記録が『完本 若き日の読書』というタイトルで発売されます。『第三文明』で連載していたものに、未発表原稿等を加えて書籍化されるのです」(学会関係者)
学会に詳しいジャーナリスト・乙骨正生氏の解説。
「創価学会で求心力があるのは池田氏だけですから、影響力を最大限、選挙に生かすのが学会の戦略です。新刊の発売は、統一地方選を意識しているのと同時に、若かりし頃の池田氏の読書記録を詳らかにすることで、活動量の低い若手会員にハッパをかけたいという思惑があるのでしょう」
12月15日発売の「週刊新潮」では、公明党の凋落と自民党とのあつれき、両党の間で国民不在のまま進められている選挙区の譲渡などについて詳報する。