NHK新会長「稲葉延雄氏」に早くも不安の声 5代続いた財界出身会長とは明らかに違う

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大手IT企業から招聘

 もっとも、これまで起用された財界人はNHKのことがよく分かっていなかったという。

「財界人出身の会長の場合、一般の企業と同じように採算ベースで判断しようとするでしょう。とすれば、視聴率の高い報道番組を優先し、視聴率の低い番組を切り捨てたくなる。ですがNHKは公共放送で、営利が目的ではない。その点を踏まえた上で経営判断するのは大変です」

 NHKは、高すぎる受信料や高額な職員の給与、受信料収入による莫大な内部留保金など様々な問題を抱えている。これらを解決するためには、会長はどんな人物が適任なのか。

「1989年4月から91年7月まで会長を務めた島桂次氏はNHK報道局長出身でしたが、当時、NHK経営委員長だった磯田一郎住友銀行会長とともに、コンテンツを世界に売り込もうと考案したことがあります。実現はしませんでしたが、NHKのコンテンツはクオリティの高いものが多いので、今考えると先見性がありました。こういうアイデアを出せる人材が必要でしょうね」

 NHKとよく比較されるイギリスの公共放送のBBCは今年7月、ネット配信強化の「デジタルファースト」戦略を表明した。子供向け番組「CBBC」とドラマやドキュメンタリーを専門にする「BBC Four」を近い将来オンラインでの配信だけにするという。さらに、受信料も将来的には廃止する方向で検討している。

「テレビを見ない若者が増える中、いずれ地デジは時代遅れになります。BBCのように、NHKもデジタル化に特化し、ネット配信に切り替えるべきです。そのためには、会長には例えば大手IT企業から招聘するのが良いと思います」

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