キンプリ「Gメン」ロケ地としてファンが「聖地巡礼」する鎌倉の有名カフェに市が「撤去命令」

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「更地にして明け渡せ」

 いったいなぜなのか。市からこう言われたと吉澤社長が明かす。

「担当職員は“店が耐震基準を満たしていない”の一点張りで、すぐに出ていけと言わんばかり。いくら何でも無茶なので、私も弁護士に相談して掛け合ってもらったところ、退去は今年の年末までにとなったものの、土地を更地にして明け渡せとも言われました」

 実は“予兆”があったとして吉澤社長が続ける。

「2年ほど前から市職員に“耐震検査をする”と言われていました。それならと2021年1月に自腹で250万円を支払い建築士に検査をしてもらい、幾つか補強が必要との条件つきでしたが、“地震による倒壊の可能性は低い”という結果が出たんです。それを市に書面で提出しようとしたんですが、受け取りを拒否されました。代わりに市が依頼した業者が昨年9月に検査を行い、結果、今年3月に“耐震基準を満たしていない”と指摘を受けたわけですが、到底納得できません。検査の詳細を教えてほしい。補修費用を負担すると申し出ても、市は一切聞く耳を持ってくれないのです」

「何かを隠していると言われちゃうかもしれないですが…」

 あまりに杓子定規な行政の対応で、歴史ある観光名所が無くなるのは忍びない。なぜこうも強硬なのか。

 いざ鎌倉市に尋ねると、

「あのカフェは建物も老朽化しており、補強して使い続けるとコストもかかるので、公園として新たな活用法を検討することになりました。細かい話は公募とかになると思いますが、それ以上の回答は控えさせていただきます。何かを隠していると言われちゃうかもしれないですが、現時点での取材はお受けできない」(みどり公園課の秋山崇課長)

 市による退去期限まで1カ月を切ったが、この攻防戦はまだ続きそうな気配だ。

週刊新潮 2022年12月15日号掲載

ワイド特集「『ブラボー!』or『ブー!』?」より

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