今期一番の傑作「エルピス」 予定調和も勧善懲悪もないリアリティー
「大きな権力というのはそれはそれは簡単に自分たちの都合で弱い者を踏み潰すもんですよ」「死刑囚なんざもはや人間でもないような扱いです」。これは「エルピス」第2話で、六角精児演じる弁護士が吐き捨てるように語った死刑の実情。その直後、葉梨康弘法務大臣(当時)の「だいたい法務大臣てのは朝、死刑のハンコを押しまして、昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職なんですが」という発言が報道された。六角のセリフはフィクションではない、地続きの現実だと痛感。...