なぜ“保守”の古谷経衡氏は「れいわ新選組」の代表選に出馬したか、ご本人に訊いてみた

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山本氏に相談

 古谷氏は5月26日、山本氏と対談したことをTwitterで報告。対談は山本氏の後援会会報に掲載された。

「以前から『何らかの形で山本さんを支援したい』と考えていたのですが、対談したことでその想いがさらに強くなりました。そうするうち、れいわの代表選が近づいてきて、『自分が代表選に出馬すれば面白いことが起こるのではないか』、『自分の言論の客観性を担保しつつ、現実政治にコミットメントできるのではないか』と閃いたのです」

 さっそく対談をサポートしてくれた関係者に打診してみると、「山本さんが非常に興味を持っている」と返事が来た。そこで改めて会合の場を持つことになったという。

「11月下旬、東京・赤坂の焼肉店で会食しました。私が代表選に立候補したいと言うと、山本さんは大喜びしてくれました。『ぜひお願いします』と逆に頼まれもしたのですが、推薦人の問題がありました。まさか山本さんが推薦するわけにもいきません。そこで参議院議員の舩後靖彦さんを紹介してもらったのです」

 舩後氏が古谷氏の著作を読んでいたこともあり、話はトントン拍子に進んだという。

 こうして古谷氏は、れいわの代表選に立候補した。何よりも目指したいのは、「論戦の活発化」だという。

「れいわは今よりも広範な支援者に支持され、より大きな政党に躍進できるポテンシャルを持っています。政権交代の一翼を担える政党になれますし、ならなければいけない。ただし、中道から右寄りの有権者に訴求力が弱いという問題を抱えています。私は保守の人間ですから、例えば、れいわの大石議員とは思想的に相いれません。しかし、だからこそ価値があるのではないでしょうか」

批判も大歓迎

 古谷氏は“保守”に立脚する評論家として、れいわの長所も短所も知り抜いている。代表選では、それを対立候補にぶつけることで論戦を活発化させたいという。

「私が保守の立場から山本さんたち候補者に論戦を挑む。激しいやり取りの中で、有権者が『れいわは様々な意見を柔軟に汲み取れるようになった』、『党として主張の多様性が増した』、『現実的な政策にも目配りができるようになった』などなど、これまでの印象を改めてもらえれば理想的です。かつての自民党も『極右から極左まで誰でも揃っている』と言われていました。同じことを、れいわで実現したいのです」

 Twitterでは古谷氏の立候補を、「売名」「出来レース」「茶番」と批判する有権者も少なくない。

「それで代表選が盛り上がるのなら、批判も甘んじて受けます。私の著書の読者の方々には、真意は伝わっていると受けとめています。代表選後、れいわを評価する有権者が増えてくれれば、私の目標は達成されたことになります。ただ実際のところ、私が代表選に勝利する可能性は極めて低いと考えています(笑)」

註:山本太郎、れいわ…左派ポピュリズムの衝撃とどう向き合うか?(YAHOO!ニュース個人「ニュースを読む 石戸諭」2019年7月22日)

デイリー新潮編集部

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